Pâtisserie café VIVANT(パティスリーカフェ ヴィヴァン)

バリスタとパティシエが手を組んで営むパティスリーカフェヴィヴァン。

VIVANTは、生きること、生き生きとした、活気のあるといった意味のフランス語。

「大切な方やお友だちとの楽しい時間、“おいしい!しあわせ”を分かち合える場所でありたいと、この地に開業しました。また、家でも職場でもない場所で、ひとりになって気ままに静かに過ごすことで自分自身を取り戻すという“サードプレイス”になれたらとも願っています。お客さまがここでリフレッシュして、明日からまた新たな力を発揮できるように」と、オーナー・バリスタの笹尾剛司さん。

 

お店は国立市の桜の名所のひとつ、さくら通りの中ほどにあります。

「お客さまにゆっくりお過ごしいただくにはこの静かな環境がうってつけ。気軽にご利用いただける地域に根ざしたお店でありたいですね」(笹尾さん)の言葉通り、矢川駅・谷保駅から徒歩10分、国立駅からは約30分と、駅からは少々距離があります。けれども、さくら通りは木々が多くて気持ちのいい道。お散歩がてら目指してみて。

開放感のあるガラス張りの店舗は、シンプルでとてもスタイリッシュ。スタッフが気さくな笑顔で迎えてくれます。

30ほどの客席はゆったりと配されています。昨今求められているソーシャルディスタンスに適合、そして、お客さまの居心地のよさにも通じています。

生菓子や焼き菓子などがつねに約20種が用意されています。おうちでの日々のおやつや、おつかいものにも最適。

 

ペット連れの方にはエントランス手前に席が用意されています。屋外席がお好きな方にもいいですね。

 

笹尾さんとパティシエの小倉優太さんの出会いは7年前。小倉さんはまだ高校生でした。

当時のお話をうかがっていると、共に同じビルにある違うお店で修業中。コーヒーとフランス菓子というジャンルの違いやひと回り違う年齢差を超えて、互いのより良いものを求める思いにひかれ合うものがあったことが伝わってきます。

接客・サービス業が好きで、かつては外資系ホテルで働き、極上のホスピタリティのなんたるかを一から学んだ笹尾さん。やがて、コーヒーの道へと心を決め、高名なバリスタのもとで腕を磨き続けていました。

小倉さんは高校卒業後、フランスへと旅立ちます。パリと南仏で3年間、有名店で働きながら製菓技術修得は無論のこと、素材のことを農業やその加工法についてまで掘り下げて実地で学びます。

それぞれに培った力が再会して、2020年12月1日、ヴィヴァン開店となりました。

 

「私が体得してきたフランスのエスプリをここで感じていただければ。日本人の舌に合わせて甘さや香りを控えめにといったことはせず、フランスで学んだ味をそのまま伝えたい。だから材料も型も、フランスで使っていたものと極力同じものを調達して使います」と小倉さん。

「フルーツは日本のものを使いますが、日本では甘み、フランスでは香りと酸味を重視という違いがあります。なので各地の農家さんに足を運んで直接、完熟でこの糖度のものをとお願いして送ってもらっています」

一番大切にしているのはフランス菓子の基本と歴史。

「オリジナルを作るにも、まずは基本。その基本が何故そうなのか?のこたえは伝統や文化、歴史の中にあると考えています。シンプルだからこそ作り手の味がはっきりと表れるフランス菓子の基本シュークリームもぜひ味わってみてください」

そしてこの季節のスペシャリテ「イチゴ」。ショーケースの中でもひときわ目を引きますね。形、色彩、質感…圧倒的な存在感があります。数量限定、店内での提供のみですが、お試しの価値あり。映えます。

 

12月23~25日限定のクリスマスケーキ。家族や友人たちと過ごすパーティーのテーブルを華やかに彩り、夢を運んでくれそうです。

 

「コーヒーは嗜好品ですから、“僕のコーヒー”を押し付けるのではなく、お客さまがおいしいと感じるものをと心掛けています。小倉が作るフランス菓子の繊細さと個性を消さないのはもちろんのこと、お客さまの様子や会話の中からお好みを感じ取ってブレンドを変えることもあります」と笹尾さん。

ブレンドコーヒーは冷めてもおいしくいただけるスペシャルティコーヒーを使用。シングルオリジン(産地農園別)のコーヒーは、産地の個性を存分に楽しめます。ラテアートも可愛らしいですね。

しばらくお話をうかがってからいただいたカフェラテは浅煎りコーヒーを使用。「カフェラテは深煎りで」の先入観が見事に打ち破られました。まろやかで、お菓子にやさしく寄り添っていました。

 

メニューには軽食やビール、ワインも載っています。ランチにぴったりですね。

「フルーツに合うアルコール」(笹尾さん)も用意されていますから、フランス人気分でお菓子とワインの組み合わせを試してみるのもよさそうです。

 

上質のコーヒーとフランス菓子。各々が持てる力を発揮しながらも、双方が主張し合うのではなく、引き立て合っていることがわかります。気配を察してさりげなく届くスマートなサービスも加わって、心地よいひとときをもたらしてくれます。

日が落ちてからも、おひとりで来店するお客さまが続きます。毎日のようにいらっしゃる方もおいでのようです。

「お客さまがここを出られるときに、明日への活力がチャージされていたらいいなと思うんですよ」

そんな言葉に見送っていただきました。

お2人の願いが込められた店名VIVANT、得心がいきました。

 

 

 

 

基本情報

店舗所在地
国立市富士見台3-5-14
営業時間
10~20時
休業日
火曜定休
TEL
042-505-4982
店舗席数
30席