【4月上旬】くにたちさくらフェスティバル

市制10周年を記念してスタート 市民参加の手作りフェスティバル 国立に春の訪れを告げる 市民の手作りイベント くにたちさくらフェスティバル 会場の谷保第三公園の約60本の桜が咲き誇る中、市民が集まって春到来の喜びを分かち合います。  

絶好のロケーションで開催されます


公園が面している東西1.7kmのさくら通りには、端から端まで約200本の桜が並んでピンクのトンネルを成していますから、フェスティバルにとっては絶好のロケーションです。 子ども連れにもうれしい企画がいっぱいで、いつものお花見にプラスアルファのお楽しみ。 1月の「どんど焼き」や11月の「市民まつり」同様、実行委員会形式で行われる市民の手作りイベントのひとつで、4月の第一土曜・日曜の2日間にわたって開催されます。 例年、実施の2ヵ月ほど前に第1回実行委員会が招集され、開催に向けて始動します。実行委員会をのぞいてみると、市役所の3階会議室は100人を超える各種団体の代表者であふれんばかり。その中から実行委員長、事務局長が選出され、次々と役割分担が決められていきます。 「実行委員会に出席するのは出店、出演する団体の代表者(大人)なのですが、携わる人全員が実行委員と考えています。野球チームやボーイスカウト、ガールスカウト、舞台に出演する子どもたちもね。みんなで責任をもって準備から最後の片付け、反省会まできちんとやりましょう、ということです」(平成2010、2011年度実行委員長・遠藤泰典さん)  

「参加者全員が実行委員」が支えるもの


さて当日。土曜日は午前11時から午後5時まで、日曜日は午前10時から午後4時まで、盛りだくさんな演し物が人々を楽しませてくれます。 ステージでは歌や太鼓、HIPHOP、バンド演奏、よさこいソーラン、ストリートダンスなど、市内にあふれる才能が披露されます。近年は時間調整に苦労するほど出演希望があるようですよ。 また、グラウンドでは、ミニSLや防災体験(消防車搭乗体験、地震体験車)やジャンボバルーン、冒険遊び場のような大掛かりなコーナーから、昔の遊び、ヨーヨーつり、非常食炊き出し試食会、救急法の紹介など、子どもから大人まで楽しみながらためになる催し、野点、フリーマーケット、飲食店などなどが展開されます。 晴れやかな表舞台の裏では、ゴミ、トイレ、灰皿、警備、トラブルへの対応、衛生面でのルールの厳守・・・2日間で延べ約5万人が集まるだけに、こういった裏方への目配りも実行委員の重要な仕事となります。準備から終了まで大過なく過ごす、当たり前だけれどもとても重要なことを継続して支えてきているのは、「携わる全員が実行委員」という心構えなのでしょう。 1975年からこれまでに3度中止になったことがありました。昭和天皇崩御のときと、1度だけ雨に見舞われたことがあったからです。 「外での催しですからね、天候に左右されるのはやむを得ないです。雨が降らずに実施できること、桜が散ってしまわないこと、そしてもちろん無事故で終えられること。これさえクリアできれば8割方成功といっていいのだと思います。なぜか雨は委員長の責任ってことになっていて、降って中止になるともう1年委員長というペナルティがあるんですよ(笑)」(遠藤さん) そして2011年度は、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴い、中止を決断しました。被災地に向けてのチャリティイベントなども検討されたのですが、計画停電やガソリン不足、福島原子力発電所の不安定な状況を鑑みての結論でした。  

大学通りには今もさくら駅伝の名残りが


かつてはさくらフェスティバルのメインイベントとして「くにたちさくら駅伝」が行われていました。 6人一組のチーム対抗で、市内を駆け抜けました。 白バイの先導で、さくら通り(NHK学園前)→三小通り→旭通り→富士見通り→さくら通り(NHK学園前)を2周して、健脚を競いました。50~60チームが参加したといいますから、応援団も多くそれはそれは盛り上がりました。 当時青年だった方々(失礼!!)からは、 「家族や従業員でチームを作って出場したよ」 「チームのメンバーにさせられて、普段運動なんかしていないのに無理矢理走らされて苦しかったなぁ」 などなど、懐かしそうに楽しそうに振り返る言葉が出てきます。 「20回ぐらい実施したのですが、交通量も増えて道路封鎖が難しくなり、警備や安全上の理由で開催できなくなったと聞いています」(平成23年度事務局長・本間康彦さん) 大学通りの歩道に埋め込まれた国立の風物を描いたタイルに、「さくら駅伝」の絵柄があるのをずっと不思議に思っていたのですが、このことだったのですね。開催されなくなってちょっぴり残念な気がします。 大学通りを歩かれる折りには、このタイルを探してみてくださいね。
【取材執筆】小山信子 【取材協力】遠藤 泰典さん、本間 康彦さん(さくらフェスティバル実行委員) 【写真】小山信子、くにたち一芸塾写真クラブ、横坂泰介