ビリー・バンバン チャリティーコンサート

国立市出身の伝説的兄弟デュオ、ビリー・バンバン。 1969年「白いブランコ」でデビューし、いきなり大ヒットを飛ばした彼ら。2012年現在もCM ソングやライヴ活動などで活躍中ですが、7月に東日本大震災・被災者に向けて、この土地でチャリティ・コンサートを行います。ビリー・バンバンの兄・菅原孝さんにお話を伺いました。

■チャリティ・コンサート開催のきっかけは?
母親が仙台出身なので、今回の震災では母親が大変心を痛めているんです。「一人は怖い」とも言っていて、その悲しい想いはぼくたちにも伝わってきます。   それならば、母親が住む国立(くにたち)の街の近くで演奏し、ぜひ、ぼくたちの元気な姿を観てもらいたい。母親の喜ぶ顔を見たいと思いますし、それが被災地のみなさんの笑顔にもつながるような気がします。
■国立市出身のおふたりですが、街への想いは?
一橋大学があり、壮大な桜並木がやはり印象的な街ですね。もちろん日本の街なんですけれど、どこか日本じゃない雰囲気を感じることもあります。また、文化人、魅力的な人、ユニークな人、そして立派な人たちがたくさん住んでいらっしゃいますね。それでいて、街の空気は穏やか。素敵な環境だと思います。
■おふたりのお名前には由来がある?
母親が名づけてくれたのですが、ぼくたちが生まれたのは、第二次世界大戦中・直後なんですね。非常に厳しい時代だったと思います。そんな中、ぼくには「親孝行」という言葉から孝(たかし)、弟には「これから日本は進んでいく」という希望を込めて、進(すすむ)と命名したそうです。 今、日本は大変な時期を迎え、それを乗り越えようとしています。そんな状況において、ぼくたちふたりが名前の意味を噛みしめ、演奏することにとても意義を感じます。
■今年3月のオマーン映画祭に日本代表として演奏された、と聞きました。
はい。今年(2012年)は日本とオマーンの交流40周年に当たります。12年前に、日本の有名アーティストとしては初めて、オマーンでステージを務めたんです。今回の映画祭(第7回マスカット・インターナショナル・フィルム・フェスティバル)のクロージング・セレモニーには、そのご縁で友好国の代表として参加しました。オマーンのロイヤル・ファミリーやイギリスのメディアからは「日本の歌が一番良かった。歌詞の内容までは分からなかったけれど、声とメロディがとてもきれいで、心に響きました」と言われ、ほんとうにうれしいです。「自分たちの音楽が伝わったんだね」と、弟の進に話しました。進も「架け橋になりたいね」と言っていましたよ。
■音楽の道を選んだ理由は?
子どものころから、母親がママさんコーラスの活動を熱心にしていたので、音楽がとても身近にあったんです。パット・ブーン、ナット・キング・コール、フランク・シナトラなどをよく聴いていましたね。 けれど「本格的にやるなら、しっかり音楽の基本を学んだ方がいい」と勧めてくれたのは父親なんです。それで高校生のころから発声やリズムを徹底的に学びました。今でもしっかり歌えるのはその基礎が生きている証拠なんです。
孝さんのお話を聞いて、ビリー・バンバンが奏でる曲たちには派手さこそないものの、「本当に大切なことを、普遍性を持って歌う」真摯な姿勢が込められている、それが魅力的なんだとあらためて思いました。 かれらを語るとき、「愛をテーマにソフトなアコースティック・サウンドで、いつでも変わらない世界」とよく言われます。 「たんたんと歌うことで、聴き手の自由な想像力に委ねたい」と孝さんが語っていた言葉に、彼らの音楽への信念を感じます。 あたたかいアコースティック・サウンドと歌声で、このチャリティ・コンサートも心地よい空気に包まれることでしょう。「白いブランコ」はもちろん、「さよならをするために」「またきみに恋してる」など、おなじみの曲も演奏予定です。
【開催日時・場所】 2012年7月14日(土) 14:30 開場/15:00 開演(終演17:00) アミューたちかわ 大ホール   【入場料】 全席指定 一般:4,500円/ムーサ会員:4,000円(車椅子席あり、お問い合わせください) *収益金は全額、立川・国立市在住の東日本大震災被災者へ、直接お届けいたします。   【チケット販売】 アミューたちかわ 窓口販売:9時~17時(月曜休館日・祝日の場合は翌日休館) 電話予約:042-526-1311(9時~17時)*ご予約・お支払い手続き完了後、郵送にてお届けとなります。   【お問い合わせ】 アミューたちかわ:042-526-1311 Kunien(国立市内に居住する震災被災者を支援する会):080-5478-2511(9時~21時)
*ビリー・バンバン 公式ウェブ・サイト http://www.universal-music.co.jp/billy-banban/
取材・執筆:長谷川雅典