みどころは、勇壮な万燈行列と平安時代から900年以上も続いているという獅子舞奉納。当日は天満宮の境内に特別に土俵がしつらえられ、土俵を清める棒使いの儀式のあと、「古式獅子舞」が披露されます。この獅子舞、2頭の雄獅子が雌獅子をめぐって争う、いわば恋物語。十二支をかたどった珍しい獅子頭は重さが4キロほどもあり、天狗役も含めた4人の舞い手は、谷保の町内の青年たちによって代々、その伝統を受け継がれてきました。またこの獅子舞奉納に先立ち、当日正午からは、JR谷保駅のロータリーから天満宮まで、「万燈行列」が行われます。
9つの町会から一基ずつが参加する万燈には、「手隠し」と呼ばれるさまざまな絵を描いた額が付いており、中には重さ百キロにもなる万燈もあって、氏子たちが力の限り振り回しながら練り歩く姿には、観客も思わず力がはいります。 5年に一度の神幸祭(平安時代の装束を着た氏子たちが、祭神とともに天満宮から国立駅まで練り歩く行列が見られる)は、次回、平成24年。
【執筆】田中えり子 【写真】くにたち一芸塾写真クラブ