慶応大学教授、ドイツ文会社・音楽評論家 岩下眞好
宮城敬雄ほど幸せな音楽家はいない。50歳から指揮を学んでプロ・デビューを果たし、ヨーロッパ各地のオーケストラに客演を重ねるとともに、優れた成果を日本でも着々と披露してきた。その宮城が今度は手ずから率いるオーケストラをもつ! 母校である一橋大学兼松講堂のレジデントオーケストラとして創設された国立シンフォニカーがそれだ。一橋大学の由緒ある兼松講堂に「定住する」(レジデント)オーケストラである。こうした楽団を大学がもつのは、日本はもとより、おそらく世界でも初めてだろう。選り抜きのプロ演奏家からなる国立シンフォニカーが、宮城の熱い信念の棒のもと、毎回、同じ会場で音楽を練り上げ、演奏会を続けてゆく。大学と地域に根づいて聴衆を育て、また聴衆が楽団を育てる。画期的なプロジェクトだ。その第1回のコンサートでは、宮城が情熱を傾けて取り組んできたブラームスの交響曲から、力と構築美に満ちた第一番をメインに、今年が生誕200年となるシューマンのピアノ協奏曲が経験豊かなドイツのピアニスト、オリビエ・トリエンドルを独奏者として演奏される。この二大名曲に先立って、コンサートはブラームスの≪大学祝典≫序曲で始まるが、まさにこれは、一橋大学兼松講堂レジデントオーケストラとして宮城と楽員たちが今後進めてゆく音楽の祝典への輝かしい序曲となるだろう。 (以上、チラシへ寄稿されたものを抜粋しました)[会期] 2010年10月24日(日) 14:00.(開場13:15)
[プログラム] ブラームス「大学祝典」序曲 op.80/シューマン ピアノ協奏曲 イ短調 op.54/ブラームス交響曲第1番 ハ短調 op.68
[チケット] <P席>6,500円/<S席>4,500円/<A席>3,000円/<B席>2,000円(未就学児は入場不可)
[販売] 高輪プリンツヒェンガルテン 03-3443-1521/チケットぴあ0570-02-9999/電子チケットぴあ http:/t.pia.jp/(Pコード:109-217)/一橋大学生活協同組合(西ショップ)042-575-4184/白十字南口店 042-572-0416/国立楽器国立店 042-573-1111