はたけんぼの素敵なロゴ。そして明るいフラッグがひらひらとお出迎え。
「くにたち市民協働型農園の会」が運営する農園「くにたちはたけんぼ」が3月30日に開園、農園祭が開催されました。
当日は生憎の曇りでしたが、100名ほどの参加者でにぎわいました。特に親子連れの方が多く、子供たちの笑顔が太陽のように輝いて、どんより空を吹き飛ばすようでした。
午前の部では田んぼづくり(畦づくり)体験、種ジャガ芋植え、耕作機械の運転などの農業体験ができました。園内では谷保の伝統料理「煮ぃ団子」や餅つきの振る舞い、「やまもりカフェ」の出店などを味わうことができたり、大きな竹のブランコで遊んだり、羊さんとヤギさんに触ったり。
午後の部でははたけんぼを出て、周辺の谷保の農家さんや農のプロジェクトを訪ねるツアー。ハタケ、ハケ、タンボのチームに分かれてゲーム形式で歩いたりお話を聞いたりしました。
さて、まずご紹介したいのが、片隅に咲いていたこちらの梨の花。「くにたちはたけんぼ」はもとは梨園だったのですが、この残った切り株から、こんなに満開の花を咲かせたのです。
まるで「私を忘れないで」と言っているようです。なんてかわいい花でしょう。
<午前の部>
「はたけんぼ」で一から知っていく田んぼづくり。大きなシャベルと一輪車で稲わらや土を移動して、みんなで踏み踏み畦づくり。ふかふかの土が気持ちよくて、なんだか癖になるような感じです。
土の中から現れたこのカエルは何カエル??正解はアマガエル。体の色が緑じゃない!土の中にいるときはこんなふうに土の色になっているんですね。
耕耘機の体験は大人気でみんな順番に畦を踏み踏みしながら並んで待っていました。
国立の田んぼでは6月頃から水を引き込んで田植えをはじめるので、その前に畑の状態でジャガイモ作り、ジャガイモ掘りをします。季節ごとにお楽しみが待っているんですね!
種ジャガ芋植えは、種芋を切って断面を灰につけたものを上手に間をとって植えていきます。断面が紫色の種類も。ずらっと並んだ種芋たちはかわいいですね。土をかぶせて芽が出るのを待ちましょう。
こちらは餅つき。佐藤市長と一緒にヨイショ!辛味もちにきなこもち、つきたてのおもちは最高です!「やまもりカフェ」の出店ではのらぼうと菜の花の肉巻き。新潟のもち豚という豚肉で国立産ののらぼうと菜の花を巻いたジューシーな一品。ビール(とジュース)がすすみます。
伝統の「煮ぃ団子」は平べったい団子の入った野菜たっぷりのお汁。ホクホクおいしいー
竹のブランコ、仲よく交代で遊びました。この葉っぱは食べるかな?ヤギのハクと、羊のアマエル。アマエルくんの毛の弾力すごかったです。どろアート広場のこの看板の文字もかっこいいですね
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<午後の部>
しっかり食べたあとは、運動です。谷保天満宮の梅園に集合してここからはツアーのはじまり。 「ハタケ」「ハケ」「タンボ」各チームに指令書が渡されました。私は「ハタケ」チームになりました。写真をヒントに目的地へ。
そこで農家さんたちのお話を聞いて、そこにある「宝物」を発見していきます。
途中でみつけたボケの花。そして「ハタケ」チームが訪れた北島さんです。北島さんの畑は元々梨園でしたが、今は色んな果樹と野菜を農薬を使わず育てています。
虫食いがあったりして出荷できるものは少ないけれど、楽しい農園です、と語る北島さん。 右の写真は堆肥をつくっているところ。ふかふかして手を入れると暖かい!森林浴で吸い込む空気を濃くしたような、いい匂いがして、生きてる!という感じです。
ハウスのなかにはズッキーニやゴーヤなど夏野菜の苗。右はさくらんぼの木です。やわらかな緑色で、小さな実をたくさんつけています。
野菜や果物がおいしかったり、花をきれいに咲くのは、みんな人が楽しむため。それならば人間はそれを存分に楽しまなきゃ、という北島さん。
農園と暮らす喜びにほころぶやさしいお顔が心に残りました。
次の目的地はどこかな。谷保の鳥たちが空を舞うのを仰ぎながら歩いていきます。ヒヨドリ、ムクドリ、モズ、オナガ。
「くにたち蜜原ガーデン」で田中さんにお話を聞きました。こちらがミツバチの巣箱。ひと箱に2~4万匹もいるんだそうです!
ここでは、ミツバチのための蜜源(お花)を育てる活動を、地主さんと市民養蜂家さん、NPO法人(KF人間環境キーステーションと三鷹のみつばち百花)が共に行ってます。
とにかく、色んな種類の花やハーブ、野菜、果樹などを植えているそうです。
人間が収穫するためではなく、蜜源にすることが目的という、普通の畑とはちょっと違う視点ではぐくまれる農園。ここで国産・そして国立産の純粋な百花蜜がとれるのです。
足元にはタイムがもじゃもじゃと。右はルッコラの花。香ばしくて辛くておいしい!
他には赤そば、キバナコスモス、カモミール、バジル、ミカンにリンゴ、べにばな、ラベンダー、イチゴにブロッコリーに。。
田中さんのミツバチのお話にはみんな興味津々でした。ミツバチの一生のこと、天敵や、蜜源になる花、ならない花。ミツバチは法律上は「家畜」だということや。
働き者のミツバチがかわいくてかわいくて、という気持ちが伝わってきます。うーんもっと知りたくなってきたぞ、というところで田中さんお勧めのご本を教えてもらって、
そろそろ次の場所へ!時間があればずっと聞いていたかったです。
次の指令は「羊をつれた女の人をみつける」、、あ!、羊と子供たちとかけっこしているすがいさんが「おそーい!」 気づいてはいましたが、「ハタケ」チームは随分遅れをとっていたようです…!
いまはれんげを植えてありますが、ここは田んぼ。
新しい建物や道路が増えるなかでも、こうやってちゃんと田畑が残っているのですが、田んぼだと気付いてもらえず、ゴミを捨てられたりということがよくあるそうです。
子供たちがそ
れを拾ってくれているとのこと。多くの人に知ってほしいお話でした。
さあて、ゴールの「はたけんぼ」に戻ってきました。みんなでみつけた「宝物」を発表しあいます。他のチームは梨園の佐藤さんや、国立ファームの小野さん、畦道の東さんのお話を持って帰ってくれました。
色んな人の想いが、そしてつながりが、谷保という土地で息づいているんだなあと知って、これからお散歩するときの気分が変わりそう、と思った午後の部でした。
最後に、寒い中、みんなで囲むドラム缶の焚火。集まって談笑するこの感じ、いいですねえ。 「くにたちはたけんぼ」農園祭。大切なものをたくさん取り戻したような、幸せな一日でした。
「くにたち市民協働型農園の会」略して「農園の会」のみなさん、ありがとうございました!訪れる人の心の故郷になっていくような農園。これからも楽しみです。