スナック水中

谷保駅北口からロータリーを右に曲がった路地に、青い看板にゆらめく「スナック水中」の文字。
同じ場所で長年愛されてきた「すなっく・せつこ」が2021年に閉業し、そこでアルバイトをしていた坂根千里さんが、一橋大学卒業後に事業を継承し2022年4月にオープンしたお店です。
新卒のママが切り盛りする、幅広い世代が集う社交場。なつかしくも新しい話題のスナックです。

学生時代にはじめてスナックを訪れたのが、「すなっく・せつこ」だったという坂根さん。常連さんや地元の人でにぎわっていても、不思議とその場になじめてしまうスナックの雰囲気に魅了され、ハマっていったといいます。

「スナックだからこそ生まれるコミュニケーションがあると思います。昼よりもじっくりとパーソナルな話ができるのはスナックのいいところですね」

「KUNITACHI BREWERY」のクラフトビールや定番のお酒も楽しめますが、「スナック水中」一番人気はとれたてミントのモヒート。国立で採れた新鮮なミントを使用したさわやかなドリンクです。

「お得なのはやっぱりボトルキープ。顔を出す理由にもなるので、ボトルキープして『ただいま』と気軽に寄ってほしいです」

そう語る坂根さんの後ろにずらりと並ぶボトルの数は圧巻!お客さんがいつ帰ってきてもいいように、たくさんのボトルが酒棚に席を置いています。

そして「スナック水中」ならではのメニューが「充電ごはん・おばんざいプレート」。忙しい人や気持ちが落ち込んでいる人、乱れた食生活をリセットしたい人にも、野菜をたっぷり食べてパワーチャージしてほしいという坂根さんの想いが込められています。

「スナックというと2件目として使う方が多いイメージですが、若者にはハシゴする文化があまりないので、ごはんも食べらるようにしています。近所のまち中華もオーダーできるので、フードコートのように使ってもらっています」

スナックになじみのない人は、どんなシステムなのかわからず入りにくいイメージがあるかもしれません。坂根さんは「スナック水中」を初めての方にも入りやすいスナックにしたいといいます。

「ドキドキしながら、ぼったくられるのでは?という気持ちで入ってくる若者も多いので、はじめてでも安心して楽しめるように、料金体系や楽しみ方をナビゲートしています。例えば、スナックのカラオケはカラオケボックスとは違います。まわりの人が楽しめることが自分の楽しみになるようなルールを私なりに提案しています」

女性ひとりでも入りやすいスナックであるように、社交場の秩序を守るのがママの仕事と坂根さん。
「楽しいお酒の席であってほしいけれど、誰かが気まずい思いをするような場にはしたくないんです。ママの一言で流れを変えられるといいなと思っています」

そして何よりスタッフが楽しく働けることを大切にしているといいます。かつてのせつこママがそうであったように、スタッフが笑顔で安心して働ける環境作りを継承していきたいと話してくれました。

誰かに会いたくなったらふらっと立ち寄れる場所。それはカフェとも居酒屋とも違う、独特の時間と距離感に包まれたスナックという文化。
ふわっと心を軽くして、水中に身を委ねるように、新しくアップデートされたスナックをぜひ体感してください。

基本情報

店舗所在地
国立市富士見台1丁目17−12 エスアンドエスビル 1F
営業時間
19:00〜24:00
休業日
日曜日・月曜日
TEL
042-505-7307
ウェブサイト
https://snack-suichu.com/