ストラーダ・ビアンカ

国立駅の南口から6分ほど歩いた場所に、緑に囲まれた小さな雑貨店があります。ストラーダ・ビアンカは、イタリア中部に位置するトスカーナ地方の食品やキッチン用品、雑貨を直輸入するお店です。

店内に一歩入ると、やさしい木の香りにふわりと包みこまれます。これだけのオリーブ雑貨をそろえたお店は珍しく、遠方から足を延ばして訪れる人も多いのだそう。

やわらかい雰囲気で出迎えてくれるのは、店主の山田亮子さん。このお店を開いたきっかけは、フィレンツェに1年半滞在していた頃、トスカーナ地方の豊かな自然や食文化、地元住人の人情味に惹かれたこと。

「トスカーナに関わりのあるお店を開きたい」と帰国後ネットショップを始め、その後もオリーブ雑貨を「実際に手に取ってほしい」という思いが募り、2012年に実店舗をオープンしました。

まず山田さんが「お味見してみませんか?」と勧めてくれたのが、トスカーナのヴェロー二農場から直輸入される有機オリーブオイル。毎年12月の上旬頃になると、農場からその年の新物のオイルが届き店内に並びます。

できたての新鮮な状態で届けられるオリーブオイルは、果汁の風味とコクをしっかりと感じられながらも、ピリッとスパイシーで後味はスッキリ爽やか。パスタやサラダなどの仕上げにそのままかけるだけで、料理をぐんと格上げしてくれます。

ストラーダ・ビアンカの定番商品といえば、オリーブの木から作られた素朴な風合いのキッチン用品。トスカーナの港町、リヴォルノの工房で職人の手によって一つひとつ生み出された一点ものの道具たちは、すべて形や木目が異なり個性豊か。使うたびに木の温もりを肌で感じられます。

実を採るために大切に育てられたオリーブの木は、自然に枯れたり倒れたりするなど、その役目を終えてからしか切ることが許されていません。そのため、これらの道具のほとんどは樹齢100年を超えたオリーブの、貴重な木材から作られています。

長寿や繁栄、そして平和の象徴として世界中で愛されているオリーブ。そんなオリーブの美しい木目や形を生かしたカッティングボードは、結婚祝いなどの贈り物としても好評です。最近では、アウトドアに使う人も増えているのだとか。

密度の高い木質のオリーブで作られたカッティングボードは、ずっしりと重さがある分、丈夫で長持ち。大切に使えば、生涯にわたって使える相棒になります。水分が乾きやすくカビや雑菌にも強いため、普段は台所用洗剤で洗ったらさっと水気を拭き取って空気にさらしておくだけ。たまにサラダオイルなどを塗り込むなど、お手入れは簡単です。

「自然の木なのでうねりやヒビがあったり、使っていくうちに節目に隙間ができたりすることもありますが、それも趣として楽しみながら使ってもらえたら」と山田さんは話します。

また、店内に並ぶのはトスカーナから輸入した雑貨だけではありません。たとえば、オープンから変わらず販売しているオリーブ染めは、国立在住の染物・織物作家の藤井智佳子さんが手掛けたものです。

山田さんの自宅の庭に植えているオリーブの木から採れた葉を使い、やさしく温かい色合いに染め上げられたオリーブ染めは、その珍しさと反した良心的な価格。色々な服装への合わせやすさから、手に取る人が多い品です。

こうした地域のさまざまな作家が手掛けた雑貨や食品とも出合えるのが、ストラーダ・ビアンカの魅力。地域のつながりが広がるたびに、店内に並ぶ商品も多彩に変化します。

トスカーナのスローライフを日常に取り入れながら、国立の新しい魅力を発見できるかもしれません。

基本情報

店舗所在地
国立市東1-16-7 イル・デュ・ノール1F
営業時間
10:30〜18:30
休業日
水曜
TEL
042-505-9238
ウェブサイト
https://stradabianca.net