【国立食人(くにたちしょくにん)】カーサ ディ カミーノ:オーナーシェフ 川上春樹さん

素材の最大限のポテンシャルを引き出すのが僕の仕事
僕は料理をする上で色々とこだわりがあるのですが、一番大事にしていることは素材一つ一つの美味しさを最大限、引き出しながら調理をすることです。例えば、トマトソースを作る際、トマトの酸味やえぐみを感じさせずに、トマト本来の甘みと旨みを味わってもらえるように仕上げています。あらゆる食材には命があって、食べるということはその命を頂くということです。そのため、食材にケチを付けるのではなく、どう調理したら美味しく仕上げられるのかを考えて、料理をすることが大切だと考えます。

国立の地場野菜を始め、素材を一つ一つ吟味して選んでいる
イタリアンにとって主役ともいえる野菜ですが、当店では国立の地場野菜を中心に、府中卸売市場や鎌倉青果市場まで買い付けに行っています。わざわざ鎌倉まで足を運んでいるのは、鎌倉野菜は非常に種類が豊富だからです。
その他の食材に関しては、2014年11月のオープン以来、脂身にほんのりした甘みのある埼玉県美里町の「古代豚」という豚肉を仕入れています。当店の自家製パスタは、従来の強力粉に加えて、神奈川県の伊勢原市で生産している“湘南小麦”を使っています。“湘南小麦”は古代の石臼で曳いているため生産量が非常に少ないのですが、茶色みがかった色が特徴で栄養価も高く、火を通すと香ばしいかおりがするためパスタやパンなどによく合います。また、トマト缶やオリーブオイル、バルサミコ酢はイタリアから取り寄せています。当店で使っているバルサミコ酢は“ランブルスコ種”というブドウを熟成させたもので、ほのかに甘みを感じられます。

「日本イタリア料理協会」の協会員になって
一年半ほど前に、憧れの「日本イタリア料理協会」に入会することが出来ました。会長は落合 務(おちあい つとむ)さんです。僕が協会に関心を持つようになったのも、落合先生の料理本を読んだことがきっかけで、「美味しいものは、人を幸せにする」という落合さんの言葉でした。
協会には、会長の落合さんを筆頭に、日本全国からカリスマ性のあるシェフが集まってきているのでとても勉強になります。一番遠方の方は宮古島のシェフで、年に4~5回の会合のために、毎回、お店を閉めて参加されています。皆さんお忙しい方ばかりなので、会合の開始時間は昼、夜、深夜と毎回、変わります。
こちらの協会に入って得たものは、何よりも日本有数のシェフたちと繋がりが出来たことです。尊敬する先輩方とご縁が出来たことで、改めて、その人たちに恥じるような仕事だけはしたくないと思っています。

イタリアンの料理人を目指したきっかけ
高校時代はいわゆる高校球児で、センターとして白球を追いかけていました。料理人になろうと思ったきっかけは、高校時代に家族でイタリアンを食べに行った際、料理人の方がフライパンでパスタを振っている姿を見て、素直に「カッコいい!」と感動したからです。その後、17~18歳くらいで進路を決める時に、その料理人の姿が頭に浮かんできて、「イタリアンのシェフになろう」と決意したのです。当時は、TVで「料理の鉄人」などの料理番組もよく見ていましたし、高校野球の監督も料理好きだったので、今思うと、様々な場面で料理の世界に触れていましたね。

人生を変えた2人の師匠との出会い
高校卒業後、吉祥寺にある「二葉栄養専門学校」に一年間通って、料理人としての基礎を学びました。その後、19歳からの10年間、銀座や表参道などの名店で修業を重ねました。この10年間で様々な出会いがありましたが、中でも、高田馬場にあるイタリアンレストラン「フラットリア」のオーナー東さんとの出会いは衝撃的でした。この方は、飲食店以外にも全国に支社を持つ企業数社のオーナーを務めています。忙しい業務の合間に早稲田大学にも通学して、「自分で大学を作る」という宣言通りに「事業構想大学院大学」を設立(2012年創業)、現在、その理事長もされています。この方の座右の銘が「やるならやる。やらないならやらない」という言葉で、非常に説得力がありました。
自分の人生に大きな影響を与えたもう一人の方は、上述した「フラットリア」の黒澤シェフです。このシェフの作る料理を初めて口にした時は、感動の余り、言葉が出ないほどでした。寡黙で冷静な方で、仕事をする上で部下を叱責したり、怒ったりといったことが一切ありませんでした。この方がよく言っていたのが、「全ては、自分の責任だと思いなさい」という言葉でした。つまり、「売り上げが悪い」「来店数が少ない」「料理が美味しく仕上げられない」などのお店に関する悩みだけでなく、「スタッフが足りない」など人材に関する悩みも、「全て、自分が悪いと思いなさい」ということなのです。この言葉には非常に感銘を受けて、その後、何か問題が起きた場合にも、冷静に受け止められるようになりました。また、「素材をちゃんと見て、自分で考えて料理を作れるような料理人になりなさい」「それを続けていけば、きっと、いい料理人になれるよ」とアドバイスしてもらったのですが、この励ましの言葉は、今も自分の支えになっています。

大好きな国立の街に恩返しをしたい
自分たち家族の住む国立にお店をオープンしたのは、30歳の時でした。実は、今から7年ほど前に初めて一人暮らしをしたのが国立でしたし、結婚した妻も学生時代に国立のベーカリーでアルバイトをしていたという経緯がありました。妻と結婚して子どもが出来た時に、「子育てに最適な街はどこだろうか?」という話になって、2人とも真っ先に国立の街が頭に浮かびました。実際に、この街で子育てをしていく中で、「安心・安全な街だなあ」と日々、実感しています。広々とした大学通りや桜通り、自然豊かな四季折々の風景と見所、遊び所も沢山あります。
2015年、2016年の2年連続、11月の「天下市」では、ピッツァの生地に岩のりを入れて揚げた“ゼッポレ”というスナック菓子を提供させていただきました。その場で揚げて、熱々のうちにお客様にお渡しするのですが、腕が痛くなるまで揚げ続けた記憶があります。実際に、この「天下市」をきっかけに、当店を利用して下さる方も増えて、大変ありがたく思っています。

将来的には日本のイタリア料理界を引っ張るような人材になりたい
元々、子どものことは好きだったのですが、自分が子どもを持つようになって、なおのこと、家族連れに優しいお店でありたいと思うようになりました。特に「お子様メニュー」という表示はしていないのですが、希望を言って頂ければ、“唐辛子抜き”や“ミートソースっぽい”メニューなど、出来る範囲で対応させてもらっています。
今、こうして自分が朝から晩まで汗水垂らして頑張れるのも、大切な家族があってのことです。一番身近な存在である家族ときちんとコミュニケーションを取っているからこそ、仕事の方にも全力で取り組めるし、モチベーションを保てると思っています。
10年後、20年後の自分が日本のイタリア料理界を引っ張っているような人材になれるよう、私自身も精進していきたいと思います。そして、ゆくゆくは日本全国から僕のお店にお客様が足を運んで下さるようになるのが理想です。その結果、自分の大好きな国立の街がさらに活気づくとしたら、こんなに嬉しいことはないですね。また、「ここで食べたパスタが美味しかったから」といったような理由で、将来イタリアンの料理人になる人が出てきたら、最高ですね。

国立駅からの道のり

中央線国立駅より徒歩5分。国立駅から450m。

基本情報

店舗所在地
国立市東1-14-22
営業時間
ランチ
11:30~14:00(L.O)

ディナー
平日18:00~21:00(L.O)
金曜18:00~22:00(フードL.O)18:00~23:00(ドリンクL.O)
土曜17:00~22:00(フードL.O)17:00~23:00(ドリンクL.O)
日曜17:00~21:00(L.O)
休業日
月曜
TEL
042-505-5561
ウェブサイト
http://casadicamino.com/

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