第8回くにたち写真コンテスト 結果発表!

総評

審査委員長  
写真家 小林定之
2021年12月7日

このコンテストも8回目を迎えることができました。応募者の皆さんと関係者のご尽力、ご協力に心より感謝申し上げます。
今回はテーマ部門“くにたちの桜”を設けたことが特徴ですが、予想以上の力作が多数応募されました。
上位入賞作品には、被写体にズバリ迫ったり、まれにみるチャンスを捉えたりしたもの、メルヘンや雄大なスケールを感じさせる作品、スローシンクロ技術の駆使や、家族の触れ合いを表現した写真などが選ばれました。
さて、訴求力のある感動的な写真を撮るためにはどうしたらよいのでしょうか。まずは、人物、風景、行事、動植物など“本当に撮りたいもの”をハッキリさせることですね。次に、その場に何度も足を運び、粘ってたくさん撮り続けること。すると、「あ!これは!」という、“出会いと発見のチャンス”が必ず生じます。その瞬間を逃さずに活写しましょう。
皆さん、熱意をもって日々の撮影を行い、着実に力をつけましょう! 次回には、個性豊かな素晴らしい作品が多数応募されますように期待しています。


自由部門

「花まち・国立」樫本 桂一
国立市観光まちづくり協会賞

寸評:審査委員長 写真家 小林定之 2021年12月7日

手前にカラフルな花壇を広く取り入れ、背景の青空を活かしたので旧駅舎がクッキリと浮き立ちました。メルヘンチックな趣を漂わせている赤い三角屋根・・・ 心が和む素晴らしい作品です。後方にJRの駅が少し見えるのも良い。

「家路」佐藤 保治
国立市長賞
寸評:審査委員長 写真家 小林定之 2021年12月7日

田植えを終えたのどかな田園風景を高らかに謳い上げた作品です。
緑の稲と茶色の道、青い空と白い雲、そのコラボが魅力的。雲も家族と一緒に遊歩を楽しんでいるように見えます。広角レンズを最大限に活用したので風景に雄大さが出ました。

「宵の宮灯の帯になって」今玉利 修司
公益財団法人 くにたち文化・スポーツ振興財団賞

寸評:審査委員長 写真家 小林定之 2021年12月7日

提灯をかざして社殿を回る氏子をスローシンクロでうまく写しています。動感のある手前の群像、静止して社殿に立つ十数人の氏子、両者の動と静の対比がユニーク。画面の大半を覆う赤色からこの神事の熱気が伝わってくる作品です。

「クリスマスの季節」佐藤 恵一
国立市商工会賞

寸評:審査委員長 写真家 小林定之 2021年12月7日

まちのシンボル・旧駅舎の夜のたたずまいを素直に撮影した作品です。ライトアップされ、赤く化粧した三角屋根の壁と窓から漏れてくる明かりに癒されます。屋根を縁取る垂木がスッと伸びてアクセントになっています。

「オリンピックイヤー」飯塚 留美子
国立市商業協同組合賞

寸評:審査委員長 写真家 小林定之 2021年12月7日

地球儀を模した彫刻と電柱にかかった五輪マークの旗がオリンピックを連想させています。それらを見ながら足取り軽くランニング。深緑と淡い緑の織りなす大学通りを爽やかに活写した作品です。左端の黒い幹も画面を引き締めて効果的です。

「富士の眺望」石黒 直敬
国立商工振興株式会社賞

寸評:審査委員長 写真家 小林定之 2021年12月7日

青空をバックに雪帽子を被った富士山をスッキリと見せた心地よい作品です。偶然にファインダーに飛び込んできた飛行機を逃さずキャッチ!“雪帽子”を左右のビルが支えているように見えるのも面白い。

「薫風、泳げ鯉のぼり」設楽 誠一
東京多摩青果株式会社賞

寸評:審査委員長 写真家 小林定之 2021年12月7日

薫風に身を踊らせて泳ぐ鯉のぼり。透過光に輝く赤い鯉が映えています。手をつないでそれを見ている親子の情景を優しいまなざしで撮った作品です。周辺の木々の青葉も一斉に鯉のぼりの方に向かって伸び、端午の節句を祝っているようです。

「大根とれたよ」三浦 まりや
多摩信用金庫賞

寸評:審査委員長 写真家 小林定之 2021年12月7日

収穫した大根をしっかりと持って得意げな少女。キリっとした表情が印象深い。大地に立つもう一本の大根も存在感があります。遠方の畑と車、工場などの点描も適切です。逆光をよく見ながら作物と子供を愛情豊かに表現した作品です。


くにたちの桜部門

「天空の特等席」清水 慎
くにたち桜賞

寸評:審査委員長 写真家 小林定之 2021年12月7日

 穏やかな春のひととき、満開の桜を眺める人々。はるか彼方まで続く並木と青空をバックに、オレンジ色の歩道橋をズバッと取り込んだので力強い作品になりました。十数人の人物の配置も適切で、車道の赤い車もインパクトがあります。

「満開の桜に季節外れの大雪」 和賀 一
くにたち桜賞

寸評:審査委員長 写真家 小林定之 2021年12月7日

季節外れの雪に桜の花もびっくり!雪の重みで垂れ下がった枝、ちらつく雪の中、ヘッドライトを点けて走ってくるバス・・・ 歩道周辺に淡く積もった雪も寒々とした詩情を醸し出しています。まれに見る光景を逃さずにスナップした見事な作品です。


佳作

「行進」飯野裕大

「Shall We Dance at 一橋大学」榎戸征治

「富士を見る」小笠原考史

「大道芸人の歌・アリガトネ」小川清成

「矢川緑地こども探検隊」菊地裕治

「彼岸花の路」白倉実

「畑の守衛隊」中村エミ

「『ハケ』の散歩道」藤掛祐男

「市民祭スタート」松川雄次郎

「『あいとあお』~青天よりあいをこめて」村田朋子