
谷保天満宮でクラシックカーのお祭り?
この意外な組み合わせには、100年以上もさかのぼる物語がありました。「偶然」という言葉では表しきれないほどの人と人のつながり「ご縁」がありました。
車好きはもちろん、とりたてて車好きでなくても、見ているだけでロマンチックな気分にひたれるクラシックカーたち。国立には年に一度、100台を超えるクラシックカーが一堂に会するイベントがあるのです。
ちょっと長くなりますが、まずは旧車祭開催にいたるまでのストーリーから。






お仕事の合間にこれだけのことを調べ上げた菊地さん。これは市内の方々にも伝えなくてはと、「くにたち自然と文化を守る会」会報にこの経緯を執筆・発表します。 商工会の方々、自動車が大好きでのちに旧車祭世話人会代表になる是枝正美さんなどが、深く興味を持ち、これを街おこしに使えるのではないかと動き始めます。 折しもこの遠乗り会から100周年を迎えようとしていました。 そこで、まずは国立市観光まちづくり協会の肝いりで「自動車実用化への貴重な先駆 わが国初の自動車『遠乗り会』100周年」のリーフレットが作成されます。 また東京都がオリンピック誘致活動を展開しているさなかでもあったので、キャンペーンイベントとして「遠乗り会、昼食会を再現させよう」と、菊地さんの努力の成果が形になっていきます。 2008年8月1日。梅林での昼食会を再現。そして、トヨタ博物館の西川稔さんによる講演も行われました。タクリー号の模型も展示されて、国立の、そして谷保天満宮の知られざる歴史が鮮やかによみがえります。 そのとき、ベニヤで作ったタクリー号は今でも参道に置かれており、子どもを乗せて記念撮影をしている光景によく出会います。 「色が褪せないように時々塗装しに行ってます」(是枝さん)


【取材執筆】小山信子 【取材協力】菊地 茂さん(谷保天満宮 権禰宜)、是枝正美さん(谷保天満宮旧車祭世話人会) 【写真協力】村井達哉さん(モノクロ写真)、谷保天満宮、くにたち一芸塾写真クラブ