国立で初めて子どものための読み聞かせ会を開催したところと言えば、東2丁目にある「桃太郎アトリエ」(前「絵本・児童書専門店 桃太郎」)です。「子どものためのスペースを」と代表の田中和子さんが創業したのは1983年。今でこそ世間に浸透している読み聞かせ会ですが、当時は全国でもめずらしいイベントでした。田中さんはまさにパイオニアです。
田中さんはかつて幼稚園園長を目指して勤め、学ぶ日々を送っていました。そんな中、自身も子どもを授かり命の重さを実感して、きっぱりと断念します。
そんな折、夫から「ライフワークになるものをしてみては」と提案されます。「場所があれば展開していけるでしょう」。田中さんは国立のまちでできることの模索を始めました。
「国立周辺にないもので、私にできることは?」。児童書の出版社社長や、書店のオーナーに現地を見てもらい、厳しい意見ももらいました。「やめたほうがいい、その分のお金で海外旅行でもしたほうがいいですよ」とも言われました。それでも田中さんは「10年続けられればよしとしましょう」と、店舗の半分を書籍販売、半分をアトリエとして開業。取り扱う書籍は絵本のほか、大人にも楽しんでもらえるように固い本(教育書など)、柔らかい本(料理や詩など)を並べました。自然に本が増え、棚が増え、扱ってほしいという人も増えてきました。
現在は開店当初から続けている絵本の会、児童文学の会、羊毛の会はもちろん、子どもの絵画造形教室、大人のための教室も開催しており、作品展も開催しています。
「作品をつくることが目的というよりは、その過程を大切にしています。子どもも楽しいし、自分も楽しんでいます」
桃太郎アトリエ
【住所】国立市東2-12-26
【電話】042-576-2189
【HP】http://momotarou5.exblog.jp/
2016年4月23日~24日に行われる作品展「てん展」。「子どものアトリエ」と「大人のアトリエ」。子どもを中心とした作品展です。詳細は下記URLからどうぞ。
https://kunimachi.jp/e/?3177