国立市で書画、茶道具、アンティーク時計、カメラなど、古美術の買取・販売、そして鑑定を行っている「国立堂」さん。
1965年ころ創業され、現在の店主・渡部栄一郎さんが「新しいもの好きの」お父さまから引き継ぎ2代目として活躍されています。
渡部さん自身は生粋の国立っこで、「ほかの街を知らないので、そもそも比較はできないのですが、やっぱり国立はいいですね。ちょうどよい街のコンパクトさのおかげか、一体感があります」と穏やかな口調で話されます。
古美術を扱うお仕事をしていると、「同じものがないんです。まさに一期一会の世界。そしてそれが次の人へのバトンタッチとなり、古いものが後世に残ることへの『橋渡し』をしているような醍醐味があります」、渡部さんはそんな「ときめき」を感じるそうです。
そして「古いものには光るデザインセンスがあったり、作りがていねいであったりすることにも気づきますね」とも。
渡部さんは古美術がほんとうに好きだからこそ、こういう言葉が自然と出てくるのだろうな、と垣間みられました。
「大好きな地元・国立への恩返しをしたい」気持ちがある渡部さん。
「最近は若い世代の人たちも、お店を出店することに熱心になっているように感じる」そうで、そういう人たちを応援していきたいとも。
穏やかな笑顔のなかに、情熱を秘めていることが、言葉の端々から感じとることができました。
取材・撮影・執筆:長谷川雅典