くにたちの野菜事情と農業について語る
学生
失礼します。
石井・菱沼
おおぉ~!!!すごい!
学生
国立野菜の大根と菜の花を使用しております。
ごゆっくりお召し上がりください。
石井
はい。ありがとうございます。
菱沼
おお~。
石井
大根ってどこに・・・
学生女
下に隠れております。
石井
あ、本当ですね。
下に大根が隠れていました。
菱沼
下、こういう感じなんですな。
石井
レベル高いですね。
菱沼
あっ!なるほど。これは美味しい。
菱沼
国立野菜フェアっていうのをやってたんですけど・・・。ずっと冬にやってきて、夏にもやりたいな・・とは、思ってるんですよね。
石井
たしかに、季節ごとにあるといいですよね。
石井
菱沼さんは、地元のフレンチを食べに行ったりしていますか?
菱沼
いや~、最近ないですね。結構国立野菜を使ってくださる、フレンチのお店があるので、行かなきゃ行かなきゃと思っているんですけど、最近自分がお店立ってしまう事が多くて・・。
石井
お店をされていると、そうですよね。
菱沼
忙しくて。
最近オープンでは(カーサ・ディ・カミーノ)さんとか。ルミエール ドュ ソレイユさんはずっとくにたち野菜を使っていただいてますし。マルセルさんもよく活用されています。
石井
いろいろなお店で国立野菜は使われているんですね。
菱沼
本当にいろいろなお店で使っています。国立の農業のポータルサイト「くにたちあぐりッポ」にお店の紹介があるんでぜひ見てください。
石井
国立って、野菜にとっては、土壌的にはどうなんでしょう?
菱沼
そうですね・・・段丘になってるんで、上と下では若干違うんですけど。
基本的には、多摩の中ではかなり、肥よくな方ですね。というのも、基本的には養分って、多摩川が運んでくるんで。
石井
なるほど~。
菱沼
そうです。多摩川が氾濫したときに、こう・・・。山の方の栄養が運ばれてくるっていう・・・。
石井
じゃあ、国立の南部の地域というのは、実は恵まれた土地なんですね。
菱沼
正直、国分寺とか、立川とのお取引させていただいてますけど、全然違うって言うんですか・・まあ、良くいえば肥えていて、悪く言えば何て言うのかな・・手をかけなくても出来るっていう面もあったりとかしてますけど。
石井
向いてる野菜ってあるんですか?こういうものが向いているとか・・。
菱沼
そうですね。美味しいとされているのは、やはり里芋とか・・昔から作ってますけど。
石井
里芋ですか。
菱沼
水分量がある程度必要な野菜なので、もともと田んぼとかだった所で里芋作るとすごく、土の保湿性が高いので、美味しいものが出来ますね。
国分寺とかそっちの方に行くと、田んぼが無いので、基本的には畑ばっかりなので。
石井
なるほど、そうですよね。
水には恵まれた場所だったんですね、くにたちは。
では、まだまだ色んな可能性が残ってるということなのでしょうか。
菱沼
そうですね。若い農家さんも多いので、今。
石井
それは嬉しいですね。この間トピナンブールでも、若い農家の方々とお話をして、作られた野菜をぜひ食べてみたいって思いました。
菱沼
そうですね。本当に若い方多いので、今後が楽しみなんじゃないですかね。
石井
そうですね。作ったものに対してもちゃんとした評価を受けていけば、みなさん、やりがいがあるでしょうし。
菱沼
でもやっぱり、今までのかつての農業流通っていうのは、消費者からのフィードバックがなかったので、国立でいくと多摩青果に出すっていうのが、一番大きな販路だったんですけど、多摩青果市場に出しても、誰が食べたとか、それが果たして美味しかったのかとか、そういう情報が全く市場って取れないので。
そうすると、なかなか・・。職人気質を発揮して、良いものを作る方もいらっしゃるんですけど、でもなかなか皆がみんな、そういう事出きないので、やっぱりフィードバックがないと、やりがいが生まれてこないっていう・・・。
石井
農業の場合って、天候災害で大変な事もあるじゃないですか。
そんな時でも、ちゃんとフィードバックがあって、皆が待っているっていうか喜んでいるって分かれば、気持が違いますよね。
菱沼
はい。そういうのも、やっぱり地元のレストランとかで、使っていただくってすごく大事なことで。農家さんって、あかの他人が野菜食べてるのを見る機会ってほとんどないんですよ。親戚の方とか、近所の方にお裾分けとかあると思うんですけど。
地元の飲食店行ったときに、隣で知り合いでない若い女の子とかが、「この野菜美味しい~」みたいな事を言ってると、それはモチベーションが上がるっていうか。
やっぱり人間誰かの幸せに貢献してるっていう実感が・・。
石井
そうですね。笑顔や、人が喜ぶ姿を見るのは快感ですから(笑)
菱沼
そういうのが、ま~僕のやってる店でもそう。
地元でどんどん、地元の飲食店でどんどん使って欲しいなって。
「くにたちを食す くにたちを語る 」vol.3 インタビュー目次