「くにたちを食す くにたちを語る 」協力:エコール 辻 東京vol.2

title 「くにたちを食す くにたちを語る」は、料理専門教育機関「エコール 辻 東京」さんのご協力により、学生さんがつくった料理をいただきながら、国立のあれこれを語っていただくコーナーです。女優の石井めぐみさんがインタビュアーとなり、毎回素敵なゲストをお迎えします。 第二回目のゲストはエッセイストの大塚清一郎さんです。 エコール 辻 東京の「辻調理技術マネジメントカレッジ」の実際の授業である「シミュレーション実習」の場からお送りいたします。 ※シミュレーション実習とは、つくる・接客する・食べる、それぞれのポジションを学生がローテーションで担いながら、実際のお店と同じ流れで進める授業のこと
大塚清一郎大塚清一郎 1A (1000x750)エッセイスト。元駐スウェーデン大使。1942年、東京生まれ。66年一橋大学卒業後、外務省入省。文化交流部長、初代エディンバラ総領事、駐スリランカ大使、駐スウェーデン大使などを歴任後、08年退官。現在、ワールド・フライフィッシング・オブ・ジャパン名誉会長。趣味はフライフィッシング、バグパイプ、フォーク・ギター、空手。著書に『キルトをはいた外交官』(ランダムハウス講談社)。
石井さん石井めぐみ 女優。都立国立高校卒。ほかにエッセイスト、ファイナンシャルプランナー、フォトグラファー、美容アドバイザー、株式会社ウィメンズ・ラボ取締役COOなども。J:COMにて「石井めぐみのステキに多摩めぐりん」に出演中。
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大塚
学生さんは、イタリア語でやっているんですね。
石井
サーブと、お客様役も学生さんがされているんです。 シミュレーション授業といって、ここで色々な役割りを体験するそうです。
大塚
40名くらいが交替でやるんですね?
石井
そうですね。この間の時は最初から先生の注意が飛んでいたので皆さん緊張しちゃって(笑)。ほんとうはとっても楽しい先生なんですけどね。
大塚
どなたが先生ですか?
石井
今、そちらにいらっしゃる平形先生です(平形清人先生(副学科長・西洋料理教授))。テレビ番組とかドラマなどにも色々協力していらしてとても有名な方です。
この日使われた国立産野菜 撮影:石井めぐみ
この日使われた国立産野菜
撮影:石井めぐみ
石井
今日使われる国立野菜がこちらになります。
大塚
唐辛子もあるんですね。
石井
この大きい唐辛子は、万願寺とうがらしでしょうか? 国立にはこの畑がたくさんあります? 最近はイタリアンのお料理に使うこともあるようですね。 大塚さんは天神米を召し上がったことはおありですか?
大塚
ないです。今日がはじめてです。 でも昨日国立ロータリークラブの友人の杉田さんに国立の畑を案内していただいた時に、天神米を作っていらっしゃる方に偶然お会いしました。天神米の話をお聞きしました。
撮影:石井めぐみ
撮影:石井めぐみ
『米のサラダ、すずきのマリネ添え』 INSALATA DI RISO CON SPIGOLA CRUDA MARINATA インサラータ ディ リーソ コン スピーゴラ マリナータ
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学生
お米のサラダ、スズキのマリネ添えです。お米は国立産のお米を使用しております。
大塚・石井
いただきます。
石井
本当にお米そのものが見事なお料理になりましたね。
石井
大塚さんはお料理を作る時は見た目にもこだわられますか?
大塚
最近こだわるようになりましたね。最近料理が好きになりましてね。住んでいるマンションの中で「男の料理サロン」というのをやっています。 プレゼンテーションは大事ですね。
石井
最初においしそう!とかキレイ!とか、その感動があると美味しさそのものが違ってくるような気がします。
   
石井
天神米というのは、その名前の品種があるわけではなく、従来あった品種の種もみを谷保天満宮でお祓いを受けたお米なんです。
石井
谷保天でね、お祓いを受けて・・・。
石井
谷保天満宮は学問の神様ですから私は高校受験の時も、大学受験の時も家族揃ってお参りさせていただきました。
大塚
うちの息子も大学受験の時に絵馬を・・・(料理が来る)
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学生
本日のパンになっております。 グリッシーニとフォカッチャというパンになっております。
石井
パンも学生さんが作っているそうですが、とても美味しいですよ。 アトリエで販売がある日は並んで買うこともあります(笑) 谷保天満宮は、最近は入学祈願だけではなく、御朱印帳を買うために訪れるお客様も多いそうですよ。私ももちろん持っていますが、ピンクとブルーのたいへん可愛らしい御朱印帳なんです。
大塚
男性が買ってもいいのですね?(笑)
石井
もちろんです。(笑)
天神米について国立市観光まちづくり協会理事長と確認し合う大塚さんと石井さん
天神米について国立市観光まちづくり協会理事長と確認し合う大塚さんと石井さん
国立のお酒「谷保の粋」https://kunimachi.jp/kunitachi-archives/
国立のお酒「谷保の粋」https://kunimachi.jp/kunitachi-archives/
大塚
今度の天神米を使ったお酒も2千本作ったのですよね?
大塚
でもお米をお祓いして出してるって言うのは他のお米でそんな例はないですよね。
石井
天神米はそもそも食用のお米ですから、そこも贅沢な使い方ですよね。
大塚
酒米ではありませんが、これでお酒も作っていますからね。 お酒の味についてのコメントは先日飲んできたので、それを言えば良いですよね? 良かった!飲んでおいて。 家内と金目鯛の干物を肴に飲みました。 辛口でおいしかったです。ほんのりフルーティな香りがしました。家内は「私、これ好きよ。」「きっと女性に人気出るわ。」と言っていました。
石井
私もふだんはお酒をいただきませんが「谷保の粋」は、ほんとうに美味しくいただきました。
石井
大塚さんは何ヶ国語お話になれるのですか?
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大塚
5ヶ国語位喋れます。でも全部出来る訳じゃないですよ。英語が主で、スペイン語はかなり上達しました。だからメキシコの歌なんかは今でも40曲くらいフォークソングをギターで出来ます。大学ではドイツ語、フランス語もちょっと勉強しましたから。「スウェーデンではスウェーデン語、スリランカの時はシンハラ語、タイで勤務した時はタイ語・・・それぞれその国の言葉を勉強するのはとても大事ですね。言葉はその国の文化そのものですから。
石井
まあ、素晴らしい!
大塚
やっぱりその国の文化を解ろうとすれば、その国の言葉に敬意払うって大事なことですね。だからその国の言葉を一生懸命勉強すると色々見えてきますよ。言葉の中に文化が滲んでいますから。
撮影:石井めぐみ
撮影:石井めぐみ
『ストラッチ、サフラン風味の魚介のソース』 STRACCI CON FRUTTI DI MARE ALLO ZAFFERANO ストラッチ コン フルッティ ディ マーレ アッロ ザッフェラーノ
喜連
野菜は国立産の葱と白菜の2種類入っているのかな?
石井
イタリアンのお料理でも白菜って使えるんですね。
大塚
美味しいをイタリア語で言うと?
学生
イタリア語で美味しいはボーノです。
石井
ところで今までのお料理はいかがでしょうか? 私はたいへん美味しくいただきましたが。
大塚
さっき頂いたパスタはソースもとても良かったです。美味しく頂きました。
喜連
国立野菜だからって無理矢理入れ込んだわけではないでしょ?自然に入っていますね。
石井
最近は、日本のイタリア料理にも、日本の野菜を取り入れたものが増えています。国立野菜も工夫しだいで世界中のお料理に使えるかもしれませんね。
撮影:石井めぐみ
撮影:石井めぐみ
※メインは魚、肉から選んでいただきました。 『魚のグリエ、サラダ添え』※写真左 PESCE ALLA GRIGLIA CON INSALATA ペッシェ アッラ グリッリャ コン インサラータ 『子羊のコートレットのソテー、じゃがいもとサラダ添え』※写真右 COSTOLETTE D’AGNELLO IN PADELLA CON PATATE ROSOLATE E INSALATA コストレッテ ダニェッロ イン パデッラ コン パテーテ ロゾラーテ エ インサラータ
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大塚
子羊ですね。美味しそうだな。色合いもいいし、ソースと合わせて美味しそう。 女性にとっては、料理はなかなか大変な世界ではないでしょうか。 レストランや料亭でもっと女性がシェフとして活躍してほしいですね。女性の繊細なセンスを活かして。
石井
そういう意味では、エコール 辻 東京さんのような学校の功績は大きいと思うんです。男女関係なく入学できて学ぶのもいっしょ。昔はおそらく、女性は修業に行くことすらできなかったのですよね。
魚のグリエ、サラダ添えの金時草について。
石井
金時草(きんじそう)ですね。東京ではめずらしいです。加賀野菜らしいですが国立でも作っているんですね。
石井
いかがでしたか?お魚は。
大塚
美味しいです。
(大きな声が聞こえて)
石井
また先生の声が飛んでいますね(笑) 大人になると怒鳴られることって少なくなるじゃないですか。 学生のうちに、この感じを体験しておくことも重要だと思うんです。 怒鳴られて悔しい思いをすることは糧になりますからね。
大塚
焼き具合はどうでした?
石井
ラムの柔らかさが活きていて絶妙でした。とても美味しかったです。
テキスト入るかも
デザート『栗の粉の温かいトルタ、シナモン風味のジェラート添え』 TORTA TIEPIDA DI FARINA DI CASTAGNE CON GELATO ALLA CANNELLA トルタ ティエピダ ディ ファリーナ ディ カスターニェ コン ジェラート アッラ カネッラ
学生
温かいトルタと冷たいジェラートの組み合わせをお楽しみくださいませ。
学生
こちら、季節の果物を。食用ほうずきとブルーベリー、いちじく、国立産の柿を使用しております。
(写真撮影)
石井
最近、食用ほうずきを目にすることが多くなりましたね。 昔は、作っているところがとても少なかったそうですが、一昨年あたりから、色々な所で作られるようになっていただく機会も増えました。 大好きなので嬉しいです!
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大塚
忘れないうちに申し上げておきますけど、イギリスでは世界的に有名な大学で、ケンブリッジ大学というのがあるじゃないですか。日本にはそれなりに有名な大学で、ワンブリッジ大学というのがあるんですよ。
石井
え?!ワンブリッジ大学?有名なんですか?
大塚
それなりにね。喜連さんも(国立市観光まちづくり協会理事長)僕も、同じワンブリッジ大学なんです・・・一橋大学!!!
石井
あぁ!!失礼しました!有名大学ですねー!!
大塚
国立の街にワンブリッジ大学があるということは色々な意味でいいんですよね。小さな大学ですけど段々と女学生も増えて、私たちの頃は女性がせいぜい二人か三人・・・今は三分の一くらいかな?皆さん優秀な方達で、外国人の留学生も増えてきましたし、アジア、中国、韓国、その他・・・結構グローバルな発信力が出てきたようですが、、残念ながらまだノーベル賞受賞者は出ていないんですよね。
石井
日本ってノーベル賞は理工系が多いですからね。
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石井
私も憧れた大学です。国立高校でしたので、授業を抜けてはよく一橋の敷地内に入ってあの雑木林でおしゃべりしたり、絵を描いたり・・・(笑)
大塚
国立に住み始めて7年になりますが、僕、本当にこの街に住んでいて、つくづく良い街だと思うんですよ。家内も同じ思いでね。 武蔵野の面影を残す自然があって、文化と芸術もあり、そこに集うすばらしい人達・・・三拍子そろった街だと思うんです。駅前に立つと、近々復活する三角屋根の駅舎、大学通りがあって、そこに春の桜、秋のいちょう・・・。 散歩しているだけでもいいですし、谷保天満宮の趣はいいですよね。
石井
本当にそうですね。国立は旭通りからは朝日が臨め、富士見台や富士見通りからは富士山が見える、本当に美しい街です。
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