いくつかのお店で修行を積んだら、お菓子作りの本場フランスに渡ってフランス菓子について学びたいです。
そして将来は地元山梨に戻って自分のお店を開くのを目標にしています。
辻製菓技術マネジメントカレッジ・2年生
土屋麻衣さん
山梨県立北杜高等学校 |
~小学生の頃からお菓子を焼いていました~
私は小学校の1~2年生頃から、お菓子作りの本を見ながら自分一人でショートケーキやクッキーなどを作っていました。その頃からずっと「将来はお菓子屋さんになりたい」と漠然と思っていたのですが、具体的に「パティシェになろう」と決意をしたのは高校3年生の進路相談の時でした。
~エコール 辻 東京へ入って大きく考えが変わりました~
数ある製菓の学校の中で「エコール 辻 東京」に決めたのは、高校3年生の時に訪れた「オープンキャンパス」での体験がきっかけです。製菓担当の宮田至康先生の指導の下、オムレットを作ったのが楽しかったのと、先生の講義を聴いて「お菓子のことをもっと学びたい」と思い進路を決めました。
実際に入学をしてみたら先生方との距離が近く、一人一人と向き合って下さるので「やはりこの学校に入って良かった」と思っています。
一番好きな授業は「製菓講習」ですね。授業の中で先生が実際にケーキを作りながら講義をするのですが、その様子を見ながら「このケーキはどんな味がするのだろう?」と想像してみるのが楽しいです。また様々なケーキの歴史などについての講義も非常に興味深いです。
この学校へ入学して仕事やケーキ作りへの考えが大きく変わりました。ケーキというのは一人一人の実力だけでなく、皆で力を合わせて作るものだということを学びました。以前の私は回りの大人に対して反抗的だったのですが、最近では注意を受けても、感謝の気持ちが出てくるようになりました。
ケーキというのは作れば作るほどその難しさや奥深さなどが分かって、自然と探求心が湧いて来ますね。ケーキを作る過程において「こうすればこういう風に焼きあがって来るのだろう」などと頭の中に思い浮かべながら、試行錯誤を繰り返しています。実際に生地の混ぜ方一つで焼き上がりが全然違ってくるのがケーキ作りの面白い所です。
学校のない休みの日でも、自分で製菓の材料を買ってきて生地を焼いたり、バタークリームで絞りの練習などもしてケーキ作りの練習をしています。
私は実家のある山梨から出て来て一人暮らしをしているので、買い物は国立駅近隣のスーパーや個人商店などでしています。
その他にも休みの日にはカフェ「ここたの」で寛いだり、国立市内にあるケーキ屋さんを食べ歩いたりしています。
~ケーキ作りで人を幸せにしたい~
私がパティシエを目指しているのは「ケーキ作りで人を幸せにしたい」という思いがあるからです。
2年生になり、「店舗研修(販売実習)」が始まったのですが、ケーキを買いに来て下さったお客様が「ケーキの種類がいっぱいあっていいわね」とはしゃぐ様子を見ると嬉しくなります。
実習では、やるべきことが一気に増え、注意を受けることも多くなりました。一つのケーキを仲間たちとの“流れ作業”で作る為、責任を感じるようにもなりました。
実習のある日はとても疲れますが、少しでもケーキ作りを覚えたいので、眠気と闘いながら習ったことはその日の内に「実習ノート」にまとめる様にしています。
同級生は皆「お菓子への思い」がある人ばかりです。実際に皆と話していると「どこのケーキ屋さんがおいしかった」とか「休日にどんなケーキを作ったか」という話題になることが多いです。同級生のお菓子への熱い思いの話はとても楽しくて、そして自分の夢への参考にもなります。
~フランス菓子に憧れて~
実家のある山梨には東京ほどケーキ屋さんが無いので、私は「エコール辻 東京」へ入ってからフランス菓子の存在を知りました。そしてフランス菓子を食べて改めて「お菓子ってすごいなあ」と思うようになりました。元々、小さな頃からケーキというのは「お誕生会」や「クリスマス会」などの楽しいイベントの時に食べるものというイメージがありました。その喜びの象徴であるケーキを自分が作って、人を幸せにすることが出来たらこんなに嬉しいことはありません。
ケーキ作りというのはまさに「魔法」だと思っています。卵・牛乳・小麦粉・砂糖など同じ製菓の材料を入れても、その混ぜ方や配合によって全く違ったものが焼きあがって来るのが面白いです。
~未来へ向かって~
春には実家のある山梨に戻って、フランス菓子専門のケーキ屋さんで働くことになっています。ここのお店で修業を積んだら、いつか本場フランスへ渡ってフランス菓子について学びたいです。そして最終的には大好きな地元に戻って自分のお店を開きたいです。そこでずっとお世話になってきた両親や地域の方々への恩返しをしたいと思っています。
~取材を終えて~ 取材・文 伊藤万理
そのおっとりとした口調や佇まいなどから穏やかな印象を受ける土屋さんですが、色々とお話をお伺いする内に芯の強さを感じました。一人でケーキを作るのが何よりの楽しみだった彼女が、ケーキ作りの実習を経て「皆でケーキを作り上げることの喜び」に目覚めた話が特に印象的でした。
【おまけ】エコール 辻 東京で見つけた「かくれ三角屋根」ピティヴィエ
フランスの地方菓子。ピティヴィエは街の名前です。パイ生地にアーモンドクリームのシンプルな組み合わせ。素朴な味わいは後をひくおいしさです。かくれ三角屋根のコーナーでは、ディズニーランドのあちこちに「かくれミッキー」がいるように、街中に、かつて国立駅の象徴として親しまれた三角屋根の駅舎にちなんだ「さんかく」をかくれ三角屋根として探しています。 |