未来のパティシエ vol.6 白崎 颯さん

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10941266_766718766755393_1263213985_n結婚式や誕生会など、記念日には必ずケーキが登場します。 人々の喜びのシーンに直接、携わることの出来るパティシエの仕事に 喜びとやりがいを感じます。
辻製菓技術マネジメントカレッジ・2年生 白崎颯さん 埼玉県立越谷総合技術高校・食物調理科
香辛料とナッツをふんだんに使った生地にジャムをのせ格子模様に飾って焼き上げます。
香辛料とナッツをふんだんに使った生地にジャムをのせ格子模様に飾って焼き上げます。
生地が焼きあがり、冷めたらナイフを使って型を回すようにして生地をはずします。
生地が焼きあがり、冷めたらナイフを使って型を回すようにして生地をはずします。
仕上げに、表面に粉砂糖をふるいます。
仕上げに、表面に粉砂糖をふるいます。
あとは、等分にカットして出来上がりです。
あとは、等分にカットして出来上がりです。
~母も叔母もお菓子作りの名人でした~ 幼少の頃から、母や叔母がクッキーやケーキなどのお菓子を作るのをよく見ていました。その様子を見ては「お菓子作りって面白いなあ」と感心していました。 そんな自分が本格的にお菓子作りに興味を持つようになったのは中学1年の頃からです。そこで高校は調理科のある地元の公立高校に進学しました。調理科では、栄養学や調理実習など調理全般を学びました。
~文化祭で自作のレモンケーキを褒められて~
10937787_766718716755398_1832855047_n高校時代の一番の思い出は文化祭です。“お菓子班”に所属し、先輩から教わったレシピを元に自作のレモンケーキを披露して、先生方をはじめ、周りから好評だったことですね。 この時は、何度もケーキの試作をして、研究を重ねました。たとえば先輩から受け継いだレシピよりもレモン果汁を少し多めにすることで酸味を強くしたり、卵を泡立てやすくするために、冷蔵庫から早めに取り出して別室で保管しておくなどの工夫をしました。 文化祭向けのケーキを作っている時が、すごく楽しかったので、次第に「ケーキ作りを極めたい」という思いが強まりました。
~「エコール 辻 東京」に入学して~
最後の実習販売では、自分で考案したオリジナルガトーが販売されることに。
最後の実習販売では、自分で考案したオリジナルガトーが販売されることに。
「エコール 辻 東京」へ入学を決めたのは、製菓の講習・実習が全体の8割を占めるカリキュラムと、設備が整っていたからです。学校に入学する際には、両親に学費を負担してもらいましたが、僕は4人兄弟の長男ですし、いずれは全額返すつもりでいます。 授業で面白いのはやはり実習です。ケーキをはじめ、さまざまなお菓子を作ることは何よりの経験になります。 また製菓の専門知識を学べる「講習・講義」の授業も、自分の知識の引き出しが増えていくのが楽しいです。
~週末にはもの作りを楽しんでいます~
週末には国立に住む一人暮らしの同級生のアパートによく遊びに行っています。スーパーの「紀ノ國屋」で食材を買って、彼の家で手料理を作ってふるまったりもします。 先日は本格的な「中華おこげ」を作って、皆で美味しく頂きました。 また自宅では、ケーキにメッセージを書く練習をしたり、生クリームの絞りの練習をしたり、それと季節の果物を使ったジャムを作るのが得意なので、今までに桃、リンゴ、ブルーベリー、ラズベリー、ぶどう、レモンのジャムなども作りました。
~パティスリーで修業中~
昨年の6月に憧れのパティスリーから内定を頂いて、その直後からアルバイトで働かせてもらっています。スタッフはオーナーシェフと先輩と自分の3名です。オーナーがまだ若く、スタッフの人数が少ないというのもあって、いろいろなことを経験させてもらっています。 お店は賑やかな商店街の中にあり、小さなお子さんからお年寄りまで地域の人々に愛されていて、ケーキだけでなく焼きドーナッツなども販売しています。年配のお客様向けにケーキはふんわりと柔らかめに仕上げてあってとても美味しいです。 オーナーが得意としているのは、実際の写真に基づいて描く“イラストケーキ”で、先日は娘さんの誕生日ケーキをオーダーされたお客様から感謝の言葉を頂き、オーナーは「イラストケーキは大変だけれど、こういう嬉しいことがあるからやめられないなあ」と感激していました。 見習い中の今は、とにかくオーナーと先輩の動きをよく観察して、自分も早く無駄のない動きが出来るようになりたいです。
~地域に愛されるお店を目指したい~
将来は賑やかな商店街の中にカフェもある自分のお店を開いて、地域の老若男女から愛されるお店にしたいです。できれば、ここ国立のような大学のある学生街が理想ですね。国立のきれいな街並みを歩いていると、この街が地域の人たちに愛されているのがよく分かります。 お店は、ケーキを買って下さるお客様の存在なしには成り立ちません。その為にはケーキを食べて下さったお客様がまた足を運びたくなるような、そして作り手である自分自身が「美味しい」と思えるようなケーキを作り続けられることが大切だと思います。
~インタビューを終えて~ 取材・文 伊藤万里
どんな失敗や経験も全て「新たな学び」として捉えることの出来る白崎さんは、4人兄弟の長男らしく「早く自立して親を楽にさせたい」と、ここまで成長を見守ってくれた両親への恩を忘れていません。また彼は「まずはヴィジョンを描いてから行動に移す」というような冷静な一面も持ち合わせているので、きっと将来は優秀なパティシエになるに違いありません。
ATELIER TSUJI TOKYO(アトリエ 辻 東京) 写真辻製菓技術マネジメントカレッジでは、第2学年に行われる「アトリエ 辻 東京」の店舗研修で、一般のお客様にも生菓子や、焼き菓子などの製菓を販売しています。 販売の日程についてはこちらをクリックしてご確認ください。
【おまけ】エコール 辻 東京で見つけた「かくれ三角屋根」リンツァートルテ IMG_2743香辛料を効かせ、ナッツをふんだんに使った生地 と、赤すぐりのジャムを組み合わせて焼いた、オー ストリア・リンツ発祥の焼き菓子です。 かくれ三角屋根のコーナーでは、ディズニーランドのあちこちに「かくれミッキー」がいるように、街中に、かつて国立駅の象徴として親しまれた三角屋根の駅舎にちなんだ「さんかく」をかくれ三角屋根として探しています。