そば処 志田
国立駅の南口から斜め左に伸びる旭通り。
通りの始まる辺り、たくさんのお店が軒を連ねる右側にあるのが「そば処 志田」。
国立で約70年続く、老舗のそば店です。
店内は4名がけのテーブル席が中心で、奥には座敷席も備えます。
時間がない時にもサッと立ち寄りやすく、お一人様の利用も多いため、思い立ったら気軽に入れるのが魅力。
店主の志田誠治さんは、弟さんと共に厨房へ立ちながら、お店を切り盛りしています。
「そもそも国立に店を出した始まりは、昭和2年に祖母が開いた”寶屋(たからや)”という喫茶店でした。当時は一橋大学の先生方が通い、コーヒーやソーダ水、ソフトクリームなどが人気だったようです」
その後、甲府の藪そばで修業していた誠治さんの父が店を継ぎ、昭和25(1950)年に「生そば 志田」、その後昭和52年に「そば処 志田」へ屋号を改めて今の業態に。
以来、まちのそば店として国立市民の食を支え続けています。
そばに使うのは、群馬県高山村の蕎麦粉。種まきから石臼挽きの製粉まで、一人で行う生産者のものを仕入れています。
レジ横に飾られているのは、高山村の村長が直筆で書いたという産地の証明書。
「手打ちでこそありませんが、出汁も毎日ひきますし、創業時から鰹節や醤油も変えていません」と誠治さん。
天ぷらに使うエビも一尾ずつ背ワタを取り除き、丁寧に下ごしらえ。
日本酒は久保田の千寿や十四代、王禄、飛露喜などの銘酒をそろえます。
「せっかく外で飲むのなら」と、入手しづらいお酒や小さな蔵でこだわって造られたお酒をなるべく入れるようにしているそう。
「働いてお金を得るのが当たり前。それを忘れたくない」と誠治さん。
「コロナ禍で、飲食のあり方はガラッと変わったと思います。今もテイクアウトは多いですし、客足も以前のようにはいきません。ただ、そんな中でも戻ってきてくれた常連さんがいて、店を開けている意味を日々感じながら営業しています」と話してくれました。
駅から近い路面店で、年代問わずに入りやすい昔ながらの「お蕎麦屋さん」。
これから先も、ずっとあってほしい存在です。
- 店舗所在地
- 国立市東1-6-28 志田ビル1F
- 営業時間
- 11:30~15:00(L.O.)/17:00~20:30(L.O.)
- 休業日
- 金曜(ほか月2日ほど不定休あり)
- TEL
- 042-572-0771