韓国家庭料理 ソウル家
今では至るところで目にするようになった韓国料理店ですが、まだ韓国の味がそれほど知られていなかったころから家庭の味を提供し続けているのが、富士見通りにある「ソウル家」。
国立の地に店を開いてから23年、韓国出身の申蓮玉さんが一人で切り盛りしています。
日本にいた知り合いから「国立でお店をやらないか」と誘われて来日したという申さん。
当時日本語は話せませんでしたが、’ちびまる子ちゃん’や’サザエさん’などのアニメを見ながら日常会話を覚えていったと言います。
「子ども向けのアニメは、難しい言葉が出てこないから」と笑って話してくれました。
ソウル家があるのは、旧・スーパーさえき(2022年10月現在休業中)の外階段を上がった2階。
昭和の名残を感じるビルの作りと看板は、まるでタイムスリップしたかのよう。
店内には韓国ドラマや俳優などのポスターが飾られています。
テーブル席のほか、奥にはくつろげそうなお座敷も。
ランチメニューは12種類。キムチうどんやカルビクッパ、豆腐チゲなどが並ぶ中、目に留まったのは「プゴクッパ定食」の文字。
オーダーして運ばれてきたのは、丼にたっぷりと注がれた具だくさんのスープとご飯、3種類の副菜でした。これはとても体に優しそう。
スープをすくってみると、干しダラがゴロゴロと入っていてボリューム満点。
噛むほどにタラの旨みが出てきます。
ふんわりした玉子とニラ、スープが相まって優しいおいしさ。
「解毒作用があるから、韓国ではお酒を飲んだ翌朝に食べるの。お好みで辛くもできますよ」
ご飯を中に入れて、スープと一緒に食べるのが現地流。
「見てると別々に食べる人が多いけど、韓国の家庭だとお母さんが子どもに『ほらご飯入れて、あったかいうちに食べちゃいな』って言うの」とほほ笑みます。
この日の副菜はさつま揚げの炒め物、茄子のナムル、自家製キムチ。
さつま揚げは甘辛で食べやすく、一度蒸してから作るというナムルは茄子の甘みが活きていました。
ピリリと辛みの利いた自家製キムチとのバランスも良く、ご飯が進みます。
お孫さんや親戚はみんな母国にいるという申さん。寂しくはないのでしょうか。
「夏休みはお店を休んで帰国してきたけれど、寂しくはないかな。あと何年商売ができるか分からないし、常連さんたちも助けてくれるしね」と話します。
コトコト煮込んだ参鶏湯も人気メニューのひとつ。
オムニの味であったまりに行ってみませんか。
- 店舗所在地
- 国立市中1-19-10 富士見通りさえき2F
- 営業時間
- 11:30~14:30/17:00~22:00
- 休業日
- 夏季(8月)、三が日
- TEL
- 042-575-9370
- ウェブサイト
- https://kunitachi.shop-info.com/u/36236/fc006/