そば処 若松

そば処若松は、JR南武線矢川駅から1kmほど。JR中央線の国立駅南口と立川駅南口を結ぶ立川バス利用なら「五商入口」停留所から徒歩1分。閑静な住宅地にあります。

外観、内装には、そこはかとなく昭和のイメージがただよいます。太い梁や柱、丸窓など懐かしい和風のイメージが、”町のおそば屋さん”の雰囲気を醸していますね。

「かつて、井之頭で親戚筋がやっていたそば屋若松本店に、6年ぐらい家族で住み込んでいましてね。私も子どもながらに手伝ったりもしていましたよ。のれん分けの形で独立して、父がここに開業したのが1968年。駅の近くではありませんが、静かな住宅地で、近くに学校が多くあり、市役所にも徒歩5分ほどですから、お客さまがついてくださるいい立地だと思いました。翌年に高校を卒業した私も店に入り、父とともに家族で営業してきました」(店主・向山壽明さん)

 

1979年には、結婚を機に向山さんが代を引き継ぎ、奥さまと力を合わせて、今日にいたります。店内の飾りつけは、奥さまが担当されています。

 

メニューを見ると温かいそば・うどん、冷たいそば・うどん、中華もの、ご飯もの…と、バラエティが実に豊か。いつ行っても、誰もがそれぞれに、そのときどきに、”お口とお腹にちょうどいいもの”を選べそうです。

そばだけではなく、うどんも中華麺も自家製なのだそうですよ。

「講習会に行ったりはしたけれど、取り立ててどこどこで修業!みたいなことはしていないんですよ。父からもあれこれ教わったというより、一緒に仕事をしながら見よう見まねで覚えたという感じですかね」

 

おすすめは揚げたての天ぷら。そして夏場に好評なのは、季節限定の焼きなすおろしそばや冷やし中華。爽やかですよ。

 

この地に店を構えて半世紀以上。来店される常連さんのほかに、配達を希望されるお客さまが多いことも若松の特徴。相棒のスクーターを駆って学校へ市役所へと向かう向山さんの配達姿は、近所在住の筆者もしばしばお見かけしています。

「配達のおかげで新型コロナ感染症によるダメージも、そんなに大きくはなかったのです。地域のみなさんに支えられていることを実感しています」

それは、お客さまにとっても同じこと。配達のおかげで、居ながらにしておなじみの味を楽しめるのですから。

配達=召し上がっていただくまでに時間がかかるから「麺がのびない配合を工夫して作っています」と向山さん。長年の経験と勘がものを言うのでしょうね。

 

夕暮れ時には一献傾けて、おそばでしめるのもまた楽し。

気取りのない家族的雰囲気の中で楽しむ日々の糧、お食事を味わいに立ち寄ってみては。

 

 

基本情報

店舗所在地
国立市中3-3-104
営業時間
11時~14時30分 17時~19時
休業日
水曜
TEL
042-572-1749
店舗席数
20席+カウンター3席