ワイルドローズ国立
白壁に赤いアクセントとアーチ型の小さな窓。愛らしい外観からも期待がふくらむ雑貨屋さん。開業は2003年。その後、2016年に現在地に移転しました。
8坪ほどの店内には、北欧・イタリアをはじめとするヨーロピアンテイストの食器、リネン、ファッション小物、洋服などが並びます。
そのどれもが、オーナー冨田浩子さんセレクトの、可愛いらしく上質で使い勝手のよさそうなものばかり。
「長く手もとに置いていただけるもの、できる限り私が使って納得したものを選んでいます」
使い込むほどに味わいが増し、使う人の手になじんでいく、長いおつきあいのできるものたちなのですね。
取材の合間にもお客さまたちが、ほどよい間隔で訪れます。ご自身のため、あるいは大切な方への贈りものなのでしょうか、説明を聞きながら、会話を交わしながら熱心に見入っています。「ここの商品ならいつでもハズレがない」という安心感と確信をお持ちのようです。
オープン時から扱っているククサは、ラップランド(フィンランドやスウェーデンの北部)に古くから伝わる木製マグカップ。白樺のコブをていねいにくりぬいて手作りされるもので、「ククサをプレゼントされた人はしあわせになる」という言い伝えがあるそうです。ぬくもりややさしさのある木の感触がとても心地いいです。
「コーヒーやワイン、大き目のものでしたらスープにもいいですね。使うほどに色つやに深みが増して、使い手ならではのものに変化していきます」
使うことで育っていくカップなんですね。
スウェーデンのエーケルンド社製オーガニックコットンのタオルやテーブルセンターは、伝統的な柄やムーミンキャラクターたちが、優しいタッチで描かれています。織りで柄を作り、厚みもほどよくあるので肌触りのよさ、吸水性など使い勝手は抜群。繰り返しの洗濯にも色落ちやほつれがなく丈夫です。
「洋服やムーミングッズはお客様の声によって増えてきたんですよ」と冨田さん。
人気のムーミングッズの種類も豊富。うれしくてチョイスに迷います。
おうち着やちょっとしたお出かけにちょうどいいワンマイルウェア。
「このパンツもね、前はシンプルだけれど、後ろのこのボタンが可愛いでしょ」
着心地がよくて、気分も引き立ててくれる服って、いいですよね。
そして、この冬にぜひとも揃えたいのが、フィンランド製の靴下。底の部分に厚みがあって、とても暖かい。冷え性さん必携です。スカート派には、ハイソックスも重宝。差し色コーデに使えそうな色合いにも注目です。
ご紹介した北欧もののほか、イタリア製品も豊富。30年ほど前に初めて訪れたイタリアにすっかり魅せられた冨田さん。コロナ禍以前は年に2度ほど直接買い付けに行っていました。
「イタリアの方たちはとても働き者で、素晴らしい手工芸品がたくさんあります。ガイドブックに載っていないような路地裏を歩き回って、文字通り足で探すんですけれど、家族経営規模の小さな工房にもいいものがあるんですよ。顔なじみになってくると、みなさんとても親切で、そのあたたかみがイタリアに魅せられる一番の理由かもしれません」
コロナ禍にあっては、渡航は難しいですね。
「そうなんです。もう2年近く出かけていません。ですから、国内の作家さんにも目を向けています。やはり小規模でなさっている方たちが中心です。いいものと出あって心豊かに暮らすことを提案し、新しいものに宿るパワーやときめきを提供するのも、お店のつとめだと思うのです」
冨田さんのお話は商品の説明にとどまらず、職人さんたちのこと、外国のこと、生活を楽しむ知恵…会話が弾んで、時のたつのも忘れそう。
そろそろおいとましましょうか。続きはまた次回。次はどんなものたち、どんなお話が待っているのでしょう。
- 店舗所在地
- 国立市東1-15-51-1F
- 営業時間
- 11時~19時
- 休業日
- 水曜
- TEL
- 042-571-3025
- ウェブサイト
- Instagram.com/wildrose₋kunitachi/ https://www.facebook.com/wildrose.kunitachi