【4月上旬】春うらら桜ウォーキング

春うらら桜ウォーキング桜、さくら、サクラ・・・日本人にとって、桜ほどなやましく心躍る花はありません。開花の日を心待ちにし、開き具合い・見頃を気にかけ、咲けば咲いたで散る日を心配しては空模様を眺めて・・・。でありながら害虫や病気の手入れが大変なためか、庭木にされることは少なくて。なればこそ、楽しみなのがお花見なのですね。 「春うらら桜ウォーキング」は、そんな私たちに春を満喫させてくれるイベント。立川市、国立市の2市にある桜の名所をつないだコースを参加者自身のペースで歩きます。
商業振興と街の活性化にも役立ちたくて春うらら桜ウォーキング2008年に始まったこの企画。そのいきさつは・・・。 2006年6月、国立市商工会は「国立市観光まちづくり協会」(佐藤収一理事長)を設立しました。同協会は「まち」の資源を活かし、産業の振興と個性豊かな魅力あるまちづくりに寄与することを目的とし、「にぎわいを創出するまちづくり」の推進を目指しています。
春うらら桜ウォーキング「国立には観光と呼べるものがこれといってなくて、みなさんに何をアピールしようかと四苦八苦していました。街としての整備はそれなりにされていますし自然も多いので、”街そのもの”あるいは街並みを前面に出せるのではないかと考えました。歩いて知っていただくならやはりいちばんいい季節、つまりは自慢の桜の季節に、ということから始まりました。かといって市内だけでは桜ウォーキングと呼べるだけの距離を確保できませんし、変化にも乏しい。佐藤理事長から立川商工会議所にお声がけをして、両市をつなぐコースが実現しました」(くにたち観光まちづくり協会事務局・池田領司さん) 2008年から2010年の3回は、
国営昭和記念公園花とみどりの文化センター集合、受付、スタート ↓ 残堀川 ↓ 根川緑道 ↓ 貝殻坂橋 ↓ さくら通り ↓ 大学通り ↓ 一橋大学南門ゴール
春うらら桜ウォーキングのルート。距離は約10kmで、ゆっくり歩いても2時間30分ほどの行程。よほどの荒天でない限り雨天でも決行。 コース途中には五穀豊穣と子どもの成長を祈願する諏訪神社、根川緑道には立川にゆかりのある文学者の詩碑、歌碑、句碑が10基ほどあり、また貝殻坂橋は形がユニーク、などなど写真スポットもたくさんあります。 2011年はこのコースをほぼ逆にたどり、立川市内商店街を通過して昭和記念公園の西立川口にゴール。今後はスタートおよびゴール地点を毎年交替することを、両観光協会の話し合いで決定。 「参加者のみなさんに楽しんでいただくと同時に、商業振興を願っての企画ですから。スタートはお店のオープン前の時間帯ですし、ちょうどお昼どきにゴールされる方が多いので、公平にメリットを享受できるようにしたわけです。お客さまにはウォーキングそのものと、ショッピングや食事を通して街中でも楽しんでいただければ」(同) 新機軸のお楽しみ企画も春うらら桜ウォーキングどちらからスタートするにしても、基本のコースは同じ。 出発地点で写真展示をしたり、東京都が「2016年オリンピック・パラリンピック招致運動」を展開しているときには、オリンピック選手やサッカー選手、体育大の学生を招いて参加者とともに準備体操をしたり、と毎回趣向を凝らしてきました。 初めて国立出発となる2011年はスタンプラリーを取り入れ、また立川サイドでは琴の生演奏も企画しています。 スタンプラリーは2箇所でスタンプを捺します。そのひとつが桜フェスティバル会場(谷保第三公園)。これまでは開催日をずらして行ってきたふたつのイベントを同日開催して、交流することによる相乗効果にも期待がかかります。これまでの参加者の3分の1は他市から訪れているといいますから、街の紹介をするのに絶好のチャンスになりそうです。 「楽しみ方は人それぞれ。歩き慣れている方や鍛えている方の中には、私たちが驚くようなスピードで歩かれることも。けれども速さを競う催しではありませんし、ゴール期限時刻15時と余裕がありますから、あちこち寄り道したりお茶を飲んだりしてゆっくり過ごされるのもいいと思います。いろんなお店もありますから、両市のよいところを見て、知っていただきたいですね」(同) 春うらら桜ウォーキングまた、順路案内やフォトスポットや観光スポットを紹介してくれるボランティアが両市に20人程度いて、質問にも応じてくれるから、至れり尽くせり。新しい発見があったら、楽しさ倍増です。 裏方さんはおおわらわ春うらら桜ウォーキング歩いて楽しい春の1日ですが、参加者が多いだけに(定員2,000人)裏方さんはとりまとめが大変です。ふたつの市にまたがってのイベントは、両市の観光協会がそれぞれに趣向を凝らした企画を推進しつつ、それを調整しながら準備が進みます。 受付がスムーズに行くことと、何よりも無事故で終えることが大切な課題となります。 かつては往復はがき、電話やファックスによる事前申し込みをしていましたが、現在はスタート地点での直接申し込みに変わりました。
春うらら桜ウォーキング初回は受付時に手形を渡して、そこについている番号でお楽しみプレゼントもありました。この桜手形は、桜守の大谷和彦代表の発案で、国立市内小学校の桜を剪定した際に出た枝木をスライスして焼き印を押したもの。コースターにもなって好評だったのですが、「休日返上で焼き印を押してました(苦笑)」(池田さん)というほどの手間暇がかかるため断念。その後はゼッケンとなりました。一般の歩行者と参加者の区別は、万が一のときの保険のためにも必要なんですね。 交通量が多い危険箇所にはプロの警備が、そのほかの箇所ではボランティアさんが順路案内とガイドをかねてスタンバイして安全確保に備えています。ボランティアさんは、事前にコースとその周辺にある場所の豆知識をまとめた印刷物でお勉強。 ちなみにそれによると、
・さくら通りの名は1982年に公募でつけられた ・桜の本数は さくら通り208本、 大学通り170本、 矢川通り72本、 矢川上公園16本、 谷保第五公園14本、 谷保第三公園60本、 富士見台第一団地20本、 計560本
だそうですよ。私たちはいったい何本の桜に出会えるでしょうか。 ゴール地点では、スタッフから完歩者にねぎらいの声がかけられたりプレゼントが渡されたり、また参加者同士が感動を分かち合ったりする光景が見られ、和気あいあいとした雰囲気に包まれます。 人々の心をひきつけてやまない桜。健康増進をかねて、そよ風と一緒に歩きませんか。 [文責] 小山信子 [写真] くにたち一芸塾写真クラブ・くにたち総合ポータルサイト事業協議会