手打そばきょうや

9月1日、ファンのみなさまお待ちかねの手打そばきょうやが、4ヵ月ぶりに帰ってきました。

所は少々変わって、JR南武線谷保駅北口から線路沿いに矢川方面に向かって徒歩2分。

ここだけちょっと異なる空気がただよう隠れ家風佇まいの2階建てが新店舗です(お店は1階部分のみ)。足元の小さな看板をお見落としなきようご注意くださいね。

 

数段上がって店内に入ると、1900年代初頭の住宅の再現かと見紛う内装がなんともおしゃれです。ここに中東やアフリカなどからやってきた室内装飾品が加わって、和モダンな雰囲気がなお一層引き立っています。

 

ぺレットストーブも存在感がありますね。ぬくもりと炎が揺らぐ季節も楽しみです。

 

客席は14席。カウンター4席とテーブルが3卓。それぞれにテーブルも椅子も照明デザインも異なるという凝りようです。

 

各テーブルの間には仕切りはないのですが、棲み分けが巧みにされているからでしょうか、店全体に一体感がありつつも、互いに独立性も保つという心地よさを演出しています。

 

「気持ちいい風が吹くようになったら、外での食事もいいかもしれないですね。テラスにも1卓あってもいいかなと考えています。夕方からは庭にライトアップもします。塀越しに上部だけ見える南武線が、意外なことにいい雰囲気を出してくれるんですよ。線路との距離が近いからでしょうね、江ノ電みたいなんて言ってくださる方もいらしゃいます」と、店主の中村直樹さんは笑います。

 

「従前店と比べると、とっつきにくくなってしまうかもしれませんが、季節の料理にもそばにもじっくり向き合い丁寧に作りたくて、そして自分なりに進化もしたくて、おまかせコースの予約制という形をとりました。従来の日本酒や焼酎などのほか、ワインの提供も始めました。楽しんでいただけると思います」

 

コース料理は、昼1種類(税込み3,000円)、夜は2種類(同6,000円、9,000円)あります。

写真は昼のもので、先付、八寸、盛り合わせ、天ぷら、そば、甘味から構成されています。

旬の素材が、中村さんの手にかかると、その持ち味を存分に発揮します。素材構成の妙なのでしょう、四季折々、そして次の季節へとバトンがつながれていく季節の移ろいまでも器の上に展開されて、私たちに伝わってきます。

 

味わい深く見た目にもおしゃれで量的にも満足な料理たち。眼も口もお腹もしあわせに満ち足りていきます。ひと皿ごとに新たな驚きと喜びを発見しつつ一献傾け、〆には絶品おそば。

おいしさの秘密は「和食の要はあたりまえのことをあたりまえにすること」。仕事に向き合う中村さんのいつもの言葉に全てが込められています。

 

しつらえまでも愛でながら、静かにゆったりと流れる口福なひとときをここで楽しんで。

 

ライター 小山 信子

基本情報

店舗所在地
国立市富士見台2-19-8
営業時間
11:30~14:00
17:30~20:00
休業日
火曜、水曜、木曜の昼
TEL
080-7158-8246
予約は、2日前までに営業時間外に電話にて。前日キャンセルの場合はお料理代金の50%、当日キャンセルは100%のキャンセル料が発生します。
店舗席数
14席