黄色い鳥器店
今年で開店11年目を迎える「黄色い鳥器店」は、作家オリジナルの器や日用雑貨などを取りそろえた魅力的なセレクトショップです。店内に入ってまず目に入るのは、お店の中ほどにあるオープンスタイルのキッチンカウンターで、ここでお客様にお出しするお茶を淹れています。
店主の高橋さん自身、若い頃、瀬戸市にある「窯業訓練校」で陶芸を学んだというだけあって、店頭に並べられた器はどれも高橋さんのセンスの良さが窺えるものばかりです。お店で取り扱っているのは、20年前に通った職業訓練校時代の同級生やその知人の作家の作品、あるいは自ら、地方で買い付けてきたものが中心です。作家の所にお皿の買い付けに行った際に、その方が日常的に使っているお皿が気に入って、その作家を紹介してもらうこともあるそうです。
「地方にいる作り手の元まで出向いて、なるべく“ここでしか手に入らないもの”を取り揃えるように心がけています。そして、今話題の作家よりも、まだ世間に知られていない面白い作り手を紹介できたらと思っています」
実際に、“顔が見える”作家の作品を取り扱っていると、お客様にもその作家の人となりを説明できるので、より大切に器を使ってもらえるのだといいます。
店内には国内の作家の器や日用小物などの他に、天井から吊り下げられた国産の手編みのカゴやインドの工房で作られた「admi(アドゥミ)」の木版プリントの大判ハンカチなども並んでいて、次々と手に取って眺めたくなります。
2015年5月には、前回の2015年開催の「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」でグランプリを受賞したイギリスのイラストレーター ローラ・カーリンとイラストレーター 宮崎千絵さんの合同展示会を開催して大きな話題を呼びました。海外のイラストレーターの中には、このローラのように絵を描くだけでなく、アトリエで陶芸をする人も多いのだとか。
■かわいい看板が目印の緑いっぱいの階段を上った所にある黄色い鳥の器店
高橋さんは「将来は、庭のあるお店を再オープンしたい」、そして「おばあちゃんになっても“生涯現役”で店頭に立ち続けられたらいいな」とご自分の夢を語ります。「松本に、80歳くらいの可愛らしいご婦人が店主を務める『ちきりや工芸店』というお店があります。そこで買い物をすると、その方が実に嬉しそうに『これは可愛いわねぇ』と言いながら器を包んでくれるのですが、自分もそんな風にお店を続けていけたらいいなと思っています」と微笑む高橋さんの表情を見ていると、器や雑貨だけでなく、人々への深い愛情と思いやりを感じて、温かい気持ちになりました。
中央線国立駅北口より徒歩5分。国立駅から400m。
- 店舗所在地
- 国立市北1-12-2 2F
- 営業時間
- 12:00~19:00
- 休業日
- 月曜日・火曜日
- TEL
- 042-537-8502
- ウェブサイト
- http://kiiroi-tori.com/