KINBUNDo.(キンブンドー ドット)
1951年に創業し、いまなお国立市民に愛され続けている老舗文具店「くにたち金文堂」。2021年、同店が70周年を迎えたタイミングで支店として誕生したのが「KINBUNDo.(キンブンドー ドット)」です。
ブランコ通り手前のビルの階段を2階まで上がると、シックな雰囲気の空間が現れます。本店の「くにたち金文堂」は文具から画材まで幅広く揃った総合的な文具店なのに対し、「KINBUNDo.」は万年筆をメインとした専門的な文具店です。
店内のショーケースには、本店から移されてきた高級ラインの万年筆がずらりと並んでいます。その豊富なラインナップに惹かれ、こだわりの1本を求めて訪れる人が多いのだそう。
万年筆を使ったことがない人にとって、専門店に足を運ぶのはハードルが高く感じてしまいがちですが、「KINBUNDo.」は「万年筆を、はじめるお店。」「愉しい文具に、出会えるお店。」をコンセプトに掲げています。そのため、店内にあるのは高価な万年筆だけではありません。
初めての人でも手に取りやすい数千円の万年筆から、万年筆用のインク、シャープペンやボールペン、ノートや便箋など、幅広いジャンル・価格帯の筆記具が揃っています。
専門店ではあるものの、万年筆に興味を持ち始めたばかりの人や、日常で使う文具を求めている人でも気軽に来店できるのが特徴です。
店長の尾川さんは、もともと本店で筆記具の担当をしていました。その際に初めて万年筆を使ってみたところ、想像以上に書き心地が良く「文字を書くのが楽しくなった」と話します。
「万年筆は軸やペン先の種類が、細いものから太いもの、軽いものから重いものと展開が豊富にあります。その中から自分の手になじむ1本を見つけられると、筆記がとてもラクになるし楽しくなるんです」と尾川さん。
どんな万年筆が合うかは、その人の手の大きさや筆圧、好みの書き心地などによって人それぞれ。そのため、自分に合う万年筆を見つける大切なポイントは“実際に使ってみること”。
同店には自由に使える試筆コーナーがあるため、気になる万年筆をすぐに試すことができます。お客さんからは「周りを気にせずゆっくり試せる」と好評です。万年筆には持ち方のコツなどもありますが、尾川さんはあえてお客さんに細かく伝えることはせず、気軽に書いてもらうことでお気に入りの1本を見つけてもらうといいます。
尾川さんに、初めて万年筆を使う人におすすめのアイテムを聞いてみました。最初におすすめしてくれたのが、ドイツ発の筆記具メーカー・KAWECO(カヴェコ)の「パケオ」シリーズ。
特徴は、なんといっても万年筆のイメージを変えるカジュアルな配色。ポップなものからシックなものまでカラーバリエーションが豊富なので、見た目の好みから選ぶことができます。また、軸が軽いため男女問わず手にフィットしやすいのも魅力です。値段も2,000円ほどと、万年筆の中ではお手頃。シャープペンやボールペンに慣れた人でも、スムーズに万年筆デビューを果たすことができる1本です。
もうひとつのおすすめが、日本の代表的な筆記具メーカー・PILOT(パイロット)の「エラボー」シリーズ。KAWECO(カヴェコ)の「パケオ」と比べると高級ラインにはなりますが、しなるようなやわらかいペン先は、まさに書くのが楽しくなるなめらかな書き心地です。
このように「どれを選んだらいいかわらかない」というときでも、気軽に相談することができます。買うものが決まっていなくても、まずは万年筆を知る一歩として来店してみてはいかがでしょうか。
「KINBUNDo.」は、パソコンやタブレットが普及し手書き離れが進んでいく時代に、もう一度“文字を書く楽しさ”を思い出させてくれるお店です。
- 店舗所在地
- 東京都国立市中1-9-37 KKビル2F
- 営業時間
- 11:00~19:00
- 休業日
- 土、月2回臨時休業
- ウェブサイト
- https://kinbundodot.com/