ジャック イン ザ ボックス Jack in the box
Jack in the box=びっくり箱。
まさにその名の通りのお店です。おもちゃ箱をひっくり返したような、ユニークな装飾にびっくりするカフェです。オリジナル商品もずらりと並び、さながら小さなワンダーランド。
JR南武線谷保駅から徒歩5分。線路沿いにあります。
南武線の車窓からも見える、ソフトクリームを手にした大きな緑色の「自由のゴリラ」が目印。
「これのせいで、かえって入りにくいだろう?」と笑うのは、オーナーの山形俊平さん。
確かにその通りなのですが、勇気を出してドアを開けると、それはそれは楽しい世界が展開します。
山形さんの本業は、イベントや舞台美術、店舗装飾などを制作・施工をする企業(株)イデア・アートの社長さん。だから、店内に展示されているほとんどのものは自社製品。
「ここは本業のアンテナショップ、ショールームのつもりで14年ほど前に始めたもの。それなのにいつの間にかこんなカフェになっちゃって。まるで道楽だな(笑)。ここを使ってミニライブやトークショーをやったり、アミューズメントパークみたいに新しい商品を並べられたら楽しいでしょ」
大きなものから小さなものまで、店内装飾として並んでいるように見えるものたちは、実は商品でもあるのです。目に入るもの全てが面白くて、思わず店内ウォッチングしてしまいます。
「何種類、何個あるかなんてわからないなぁ」というフェーヴコレクションはすべてフランスPRIME社製。かつてフランスを訪れた折に気に入って、以来、輸入しています。
ソラマメを意味するフェーヴは、フランスの伝統的な焼き菓子「ガレット・デ・ロワ」の中に入れるしあわせを呼ぶ磁器製の小さな飾り物。そして、写真のガレット・デ・ロワもイデア・アートの作品で木製です。「並べきれていないけど、あと3倍はある」そうです。
「カフェのメニューはきっぱりドリンクとソフトアイスだけ。あまり手を掛けられないしね」
と言いつつ、デロンギのエスプレッソマシンで淹れるコーヒーは深い味わいです。
ご近所の常連さんたちは、正面入り口だけでなく、裏口からもひょっこり入店されます。
ひとしきり山形さんと、あるいはお客さん同士の会話を楽しんでいきます。
ここで一服するのは特別なことではなく、みなさんの日々の暮らしの中にさりげなく組み込まれているひとときのように見受けられます。
実を申せば、この取材にも常連さんたちが参加して、さまざまなエピソードを語ってくださいました。筆者も常連さんとの話が弾んでしまい、「おいおい、取材されてるのは私だぞ」と山形さんがアピールする場面も。にぎやかに面白おかしい時間が過ぎていきました。ここでの出会い、交流がまた新しいものを生んでいきそうな勢いです。
「まぁ、高齢者のたまり場かな。ご近所さんの憩いの場。18時閉店だけど、そのあと宴会が始まっちゃうこともあるし・・・」と、山形さんもまんざらではない表情。
集まる面々のプロフィールを伺うと、なかなかの方々で、山形さんの人脈の広さが垣間見えます。
だからと言って、決して常連さんだけのお店というわけではなく、初めての方にも居心地がよくて、気がつけばいつの間にか会話に混ざって楽しんでしまいます。そのあたりに山形さんの懐の深さも感じ取れます。
「ここはね、国立のパワースポット。アート系、インテリジェント系も含めて、いつだって面白い人に出会えて、エネルギーをもらえるところなの。ありがたい交友関係を作ることができるのは、人を差別しないでみんな受け止めてくれる山形さんのおかげ」
常連さんのこの言葉が、ジャック イン ザ ボックスのありようを言い表しています。
取材のおかげでお仲間に入れてもらえて、うれしかったです。
ご高齢の方に限らず、お若い方もお子さんも楽しめる空間ですよ。
皆さんも気軽にドアを開けて、びっくり箱の仲間に加わってみてくださいね。
ライター 小山信子
- 店舗所在地
- 国立市富士見台2-23-5
- 営業時間
- 10時~18時
- 休業日
- 不定休
- TEL
- 042-571-1737
- 店舗席数
- 15席
- 禁煙・喫煙
- 喫煙可
- ウェブサイト
- http://www.mmjp.or.jp/idea-art/