一本堂 国立さくら通り店


2016年12月オープンの一本堂 国立さくら通り店は、市内を東西に走るさくら通りのほぼ中央に位置します。
焼きたて食パン専門店と銘打つだけに、1日11回、30分または1時間の間隔で焼き上げています。お客さまお待ちかねの焼き上がり時刻は、店頭の掲示板に。間口もさほど広くないコンパクトな店舗ながら、随時焼き上がる食パンや、パンを一層おいしく楽しくしてくれるジャムやスプレッドが、すっきりと美しく並びます。奥には、作業効率を熟慮したレイアウトの厨房があり、店主松尾剛さんの作業が垣間見えます。松尾さんからもお客さまの様子をうかがうことができます。

トースト時計が目を引きます

シンプルながら季節感ある装飾に心がなごみます

取材中もお客さまは引きも切らず、おそらくは常連さんなのでしょう、多くの方が「○○パンは焼き上がりましたか?」と言いながらご入店。焼きたてパンを楽しみにされている気持ちが伝わってきます。焼きたてあつあつのパンを持ち帰れるのは、専門店がご近所にあってこそのぜいたくですね。

 一本堂の代表的存在、基本の「ぷれーん」は人気絶大。
シンプルな生地のうまみを味わえます
 季節感を盛り込んだ期間限定品もお楽しみのひとつ
 お好みの厚さに切ってくれます(焼き上がり直後、チーズ、レーズンを除く)
 食パンのお供、ジャムやスプレッドもずらり

松尾さんは、小学校低学年のころからパン屋さんになるのが夢。
「プロ野球選手かパン屋さんが夢でした。小中学校時代は野球をやっていましたけど、プロ野球の夢はわりと早い段階であきらめたかな。パンが大好きで、ものづくりも好きだったから、夢も自然とパンの方に向かったのかもしれません」と笑います。
大学までは製菓や製パン関係の学校とは無縁。けれども大学時代のアルバイト先がパン屋さんと、子ども時代の夢に向かって動き始めます。
大学卒業後は、さまざまなタイプのパン屋さんに勤務し、それぞれの仕事を経験します。知れば知るほど、ますますパンづくりのとりこに。そして、勤務先として最後となったお店では、パンづくりを改めて一から学び直します。
パンづくりに関わって20年近い年月が流れ、そろそろ独立をと考え始めたときに、たまたま出合ったのが一本堂のフランチャイズ募集の記事。
「食事パン、調理パンや菓子パンなども作ってきましたが、食パンに特化したお店というのが、いさぎよくて新鮮でした」。奥さまの後押しもあって、ついに決断、2016年12月開業にいたります。

開業時、お姉さまからかけられたのは「小さい頃からの夢が叶ったね」の言葉。
松尾さんご自身は覚えていなかったけれど、ご家族に夢を語っていたんですね

自店を国立に構えることにしたのは、「住まいから近いことと、桜並木が美しい通り沿いにいい物件があったこと」そして「40~60代をターゲットと考えていて、この場所ならそうかな、と思っていました。ありがたいことに実際は、より幅広い年齢層の方たちにも受け入れていただいています。無添加で安心な素材を使っているからでしょうか、小さなお子さん連れのママたちも来てくださいます」

生地はいきもの。素早く、けれども丁寧に扱います

人気のレーズンパンは、ラム酒に漬けた大粒のレーズンを
ふんだんに使います

端からくるくる巻いて

型に詰めて焼成

どこを切ってもレーズンがいっぱい。
焼成中にアルコール分はとんでしまうので、お子さまにもOK

チーズパンはパルメザンとチェダー風の2種類のチーズを使用。
味と香りの豊かさが一層引き立ちます。ビールやワインとの相性もよさそう

食パンづくりは、粉と水と酵母を主材料とするシンプルな作業。発酵が味と香りの決め手となるパン生地はいきもの、仕上がりは気温や湿度にも左右されるので、気を遣います。
「エアコンでキッチンの温湿度調節はしていますが、夏は水を冷やしたり、冬はお湯を足したりと、そのときどきの調整は必要ですね」と松尾さん。

「日々の食卓にのせられる、飽きのこない食パンを提供しています」と松尾さん。生地は甘過ぎないあっさりめの味。お求めやすい価格設定でもあり、まさに日常のパン。リピーターが多いことにも納得ですね。
ぜひともお試しあれ。

基本情報

店舗所在地
国立市富士見台3-5-1
ヘリオス378国立101
営業時間
9:00~19:00(完売次第終了)
予約可
休業日
第1・3火曜、毎週水曜休み
TEL
042-505-7012