多摩川サイクリングロード&河川敷公園
多摩川サイクリングロードは、羽田の海から羽村玉川上水までの約50km。どこを走っても多摩川の豊かな流れと景色を存分に楽しめます。
国立市にかかる部分は短いけれど、崖線が作り出す里山の風景、古代遺跡にちょっと寄り道もおすすめです。
天気の良い日には、年間を通して富士山が見える絶好の眺望・撮影スポットがあります。
夕暮れどきは、シルエットも素敵です。1年に何度もないけれど、ダイヤモンド富士に出合えるチャンスもあるのだとか。見られたら何かいいことありそうで、一度は見てみたいものですね。
サイクリングロードといっても自転車専用道路ではありません。サイクリング、ランニング、ジョギング、お散歩などなど、老若男女を問わず思い思いに楽しむ憩いの場。週末ともなれば、多くの人でにぎわいます。大きく広がる空のもと、清々しい空気をたくさん吸ってリフレッシュしてみてはいかが。
沿道には「国立温泉 湯楽の里」があります。
“ランナーズ・ステーション・サービス”を活用してみましょう。荷物を預けて身軽に活動、戻ってきたら、ゆっくり入浴、さっぱりして帰宅できます。便利でうれしいサービスですね。
河川敷公園は56,166㎡。国立市の野球場2面とサッカー場1面があり、市民に利用されています。週末には試合も行われ、サイクリングロード利用者も思わず応援してしまう場面も見られます。
公園やロード利用者の多くがお世話になる公衆トイレの前に設置されているのがこの説明板。ここを集合・解散場所とするサイクリンググループもいらっしゃいますよ。
ここにはかつて、国立市と日野市、ふたつの石田を結ぶ渡し船がありました。日野橋の架設によって渡し船は廃止になりました。2003年に開通した石田大橋を渡れば日野市はさらに近くて1kmほどの距離。ですから、ここへの最寄り駅は、お隣り日野市の多摩都市モノレール万願寺駅となります。
多摩川サイクリングロードは一部、川沿いを離れて一般道を通過する個所があるのですが、このあたりは崖線の上部になっていて、武蔵野の面影を残しています。
古墳時代の遺跡や昔の暮らしぶりを伝える見所もあります。
青柳の、住宅に寄り添うように建つ伊藤単朴の墓。東京都指定旧跡になっています。江戸で生まれた伊藤単朴(1680年~1758年)は、談義本の作者。世相を風刺した滑稽本を通じて、8代将軍吉宗の代に民衆教化に貢献。江戸市中から移り住んだ青柳では医業を営んでいました。
お墓は今なお、ご近所の方が時折お手入れされています。
緑豊かな休憩スポットで一服。サイクリングロードのマップ説明板もあります。
1755年創建の青柳稲荷神社(国立市青柳236)。本殿と拝殿は、国立市の登録有形文化財。現在は専従の神主はいませんが、地域の氏子たちを中心に、お祭りが行われています。神社を守っている2匹のお狐さまの表情がユニークですよ。
2001年度に行われた遺跡の発掘調査で、今から約1,400年前の古墳時代後期に造られた古墳が10基発掘されました。「四軒在家遺跡」です。そのうちの1号墳石室が、少し離れた四軒在家公園(国立市矢川3-8-26)に移築・復元されています。
出土した遺物(直刀、鉄鏃、耳飾り、切子玉など)は、国立市指定有形文化財となっています。
滝乃川学園(国立市矢川3-16-1)は、1891年に創立された日本最初の知的しょうがい者のための社会福祉施設。本館は1928年に竣工した木造のモダンな近代建築。国内でもっとも古いアップライトピアノ(天使のピアノ)があることでも有名。聖三一礼拝堂は、英国の伝統的な教会様式に沿ったもの。鐘楼の鐘は、英国ウエストミンスター寺院の鐘と同じ製造会社の特注品だそうです。
くにたち郷土文化館(国立市谷保6231)は、国立市の歴史と自然、文化を伝え、次代に継承するために、出土品をはじめ多くの資料を備え展示しています。さまざまなイベントも企画、実施され、市内外から訪れる人々の学びの場でもあります。特別展も多く開催されるので、何度来ても飽きることがありません。
写真の左手奥には、休憩できる屋外スペース、トイレもあります。
国立市古民家・旧柳澤家住宅(国立市泉5-21-20)は、江戸時代後期の典型的な農家の姿を見せています。見学だけでなく、昔ながらの年中行事やだんごづくりなども行われ、当時の素朴な生活を体験することができます。
ひっそりとたたずむ歴史的文化財たち。派手さはないけれど、多摩川サイクリングロードへの道すがら、”ちょこっと寄り道”で触れるものたちが、いつもの道程の楽しいアクセントとなりますように。
参考文献:『くにたち生活便利帳 2021~2022年版』
- 店舗所在地
- 国立市谷保9544(河川敷公園)