甘味ゆい

JR国立駅を背にまっすぐに伸びる大学通りと、その大学通りを挟んで左右対称に斜めに伸びる旭通りと富士見通り。「甘味ゆい」の店舗はこの富士見通りを斜めに入った住宅街の中にあり、目の覚めるような真っ青な外壁が印象的です。

店内はちょっと広めのカウンター6席と2人掛けのテーブル席2セットのみのこぢんまりとした作りですが、夏場のかき氷のシーズンともなると都内からだけでなく、近隣の各県からもお客様が大挙して、整理券を配らなければならないほどの盛況ぶりです。その人気の秘訣は、生の果物や北海道産の小豆を使った自家製のシロップと、まるで初雪を口にしているかのような食感を楽しめるかき氷の美味しさもさることながら、店主のゆいさんの温かい人柄に依る所も大きいのです。

お店で提供しているのはかき氷と甘味、それらによく合う煎茶、焙じ茶、紅茶、抹茶の4種のお茶のみ。シロップは全て自家製で、甜菜糖や沖縄の黒糖のみを使用しています。
特に人気があるのは旬の果物を使った季節のかき氷で、夏場には桃やぶどう、マスクメロンなどが主役となります。そのほか、抹茶や小豆、キャラメル味などの定番メニューも人気です。

「甘味ゆい」のかき氷は、口の中に入れた途端にサッと溶けてしまうふわふわとした食感が売りで、通常のかき氷のように食べていて頭が痛くなることもありません。
かき氷用の氷は、立川市羽衣町にある「有限会社・福島氷室」から仕入れています。こちらの氷店に決めた理由をゆいさんに尋ねてみると、
「氷の状態が良く、氷がしっかりと管理されているのが特徴です。また、お店の方の丁寧な対応もありがたいです」
と気持ちの良い答えが返ってきました。

買って来た氷は冷凍庫に入れたり出したりして、温度管理に努めています。このような状態で氷を保管することで、氷の温度が程よく下がり、滑らかな口溶けを楽しめるようになるといいます。さらに、時間をかけてじっくりと固められた密度の高い氷はシロップの通りが良いので、きちんとガラス容器の底まで到達することができます。かき氷のシロップは上部・真ん中、下部と三度に渡ってかけられるので、最初の一口目から最後の一口まで“変わらぬ美味しさ”を楽しめるようになっています。

ゆいさんが国立に住むようになったのは、国立駅の南口に降り立った際に、緑が多く、高い建物がないために、空がよく見える所が気に入ったからだといいます。
以前は屋台を曳きながら市内各地で自家製のたいやきを売り歩いていましたが、昨年、第一子が生まれたのを機に、ひとまず「たいやきや ゆい」はお休みして、一年を通して「甘味ゆい」を営業しています。「甘味ゆい」では、秋から春にかけては常連客が7割で新規客が3割ですが、夏場にはそれが逆転して常連客が3割で新規客が7割となります。全体的には女性客が多いものの、中には一人でお店にお越しになる男性客も少なくないとか。
「うちのお店のかき氷や甘味を食べてお客様に少しでも和んで頂けたら、こんなに嬉しいことはありませんね」
と優しく微笑むゆいさんの笑顔と穏やかな口調に癒されるお客様も多いのでは。和やかな空気の流れる店内で味わう自家製のかき氷は格別の美味しさです。

国立駅からの道のり

中央線国立駅南口より徒歩17分。国立駅から1,400m。

基本情報

店舗所在地
国立市西2-19-12
営業時間
12:00~17:30(LO17:00)2020年8月時点
休業日
月曜・火曜
TEL
042-505-6210
ウェブサイト
http://taiyakiyayui.jugem.jp/