BAR レッドトップ
ブランコ通り沿いに佇む、木製の扉とステンドグラスが印象的な「レッドトップ」。昭和34年(1959年)にオープンした、国立で最も長い歴史を持つ老舗のバーです。
「レッドトップ」がオープンした1950年代、日本はスタンドバーの全盛期でした。
それから半世紀以上が経ち、酒場文化がさまざまに変化を遂げる中で、同店は当時のオーセンティック(正統的)なスタンドバーを今なお続けています。
マスターの岡本貞雄さんは「当店は数十年通う常連さんが多いため、初めての方、特に若い方は『入りにくい』とおっしゃることが多いです。それでも、何度か通ううちに常連さんの仲間入りができます。そうなれば、とても居心地のよい空間になるはずです」と話します。
飲み物は洋酒やカクテルが中心で、おつまみは乾き物のみ。そのため仕事帰りにふらっと立ち寄り、ポケットマネーで2~3杯お酒を飲んでスマートに帰る、といった楽しみ方が主流です。
肩ひじ張らない雰囲気と、心地よいイージーリスニングに包まれた空間では、お酒は会話を引き立てる脇役に。一杯一杯を味わいながら、その日集った仲間との会話を楽しむ……そんな“大人のお酒の楽しみ方”がここにはあります。
また、そんな昔ながらのバーの雰囲気に惹かれるように、お客さんの年齢層は高めで、かつ大学の名誉教授や医者、社長といった博学な人たちが集まるのだそう。
かつては漫画家の滝田ゆう先生も常連だったそうで、滝田先生が店のためにデザインしたコースターとマッチは今でも現役です。
初めて来店した人にとっては、輪に入れるか少し心配になってしまいますが「お酒を飲めば、みんな一緒なんです」と岡本さんは笑顔で話します。
店内は時代に合わせて変化はしていますが、長年にわたるタバコの煙が染み込んだ重厚な木製カウンターは、この店が刻んできた歴史を静かに物語っています。
長年カウンター越しにお客さんの人生を見てきた岡本さんは「バーは人生の銀行のようなもの」と言います。
「積み重ねてきた人生の一部をバーでマスターや仲間に話し、またバーに足を運んだときに、その当時のことを思い出す。そうしてバーで人生を積み立てていくんです。そういう意味では、バーテンダーはお客様と一緒に人生を歩んでいるものだと思っています」
人生を一緒に歩んでいく仲間や、居場所があるというのは人生にとって価値のあることです。
街のどこかに自分の新しい居場所を見つけたい方は、勇気を出して扉を開いてみてはいかがでしょうか。
- 店舗所在地
- 国立市中1-9-49
- 営業時間
- 18:00~24:00
- 休業日
- 日・祝日
- TEL
- 042-575-1212
- 禁煙・喫煙
- 禁煙
- ウェブサイト
- https://kunitachi.shop-info.com/redtop/